令和元年11月市会本会議代表質問:こうち大輔

2020年6月15日  
    令和元年11月市会本会議代表質問:こうち大輔
    1 令和2年度予算の収支見通しと行財政改革の加速について
    2 空き家対策の迅速化について
    3 薬物乱用対策について
    4 高齢者の就業機会確保などによるさらなる活躍について
    ◆(こうち大輔議員)右京区選出のこうち大輔です。日本維新の会市会議員団を代表して質問いたします。多くの皆さまのお陰で,2期目の任期初めての代表質問をさせていただけることに感謝とより一層の精進をお誓い申し上げ,質問に入らせていただきます。 まずは,令和2年度予算の収支見通しと行財政改革の加速について質問いたします。門川市政3期12年間を経て,最も今後将来の京都市の課題として残っているのが財政についてだと考えます。市長は,先般の30年度決算9月市会におきまして,京プラン後期実施計画における中期財政収支見通しの当初目標でありました令和2年度の特別の財源対策からの脱却は厳しいとお認めになり,また,同じく来年度予算の収支見通しについては,公債償還基金を取り崩して不足する財源を補填する負担の先送りが恒常化するなど,極めて厳しい財政状況にあるとされています。そして,現時点の概算見込みで約300億円の巨額の財源不足が見込まれる事態となっています。我々がこれまで提案してきた更なる身を切る改革,市長の報酬・退職金のカット,職員給与の見直し,事務事業の徹底的なゼロからの見直し,文化・景観に関わるコストを日帰り入洛客にも求める制度の創設,神社仏閣との財政的な協力関係の構築,持続可能な敬老乗車証制度の見直し,働き方改革に伴う残業費用の削減,水道事業の広域化による効率化,公共交通の脱公営など経営形態の見直しと収益事業の拡大などなど,これらの政策を取り入れる覚悟がなければ,とても特別の財源対策からの脱却は難しいと考えます。 まずは,この不足している約300億円について,現時点ではまだ仮の話になりますが,どういった方法をもって予算編成されるおつもりなのか。平成30年度決算を踏まえて,少なくともこれ以上,公債償還基金の取崩しをすべきでないということにおいては,議会において一致している意見が多数だと思います。また,今議会においては,人事委員会勧告に基づいて職員の月額給与とボーナスの引上げが議案として上程されています。ボーナスについては6年連続の引上げで,人件費は約5億1,000万円の増となります。これだけ厳しいという中の引上げです。このような中,どのようにして財政改革の加速を実行していくおつもりなのか,市長の覚悟をお聞かせください。 次に,空き家対策の迅速化について質問いたします。現在,京都市内には約10万6,000戸の空き家があり,このうち約4万5,000戸が活用の見込みのない空き家となっています。5年に一度の調査によりますと,平成25年に約11万4,000戸であった空き家数から考えると,居住世帯数の増加などもあり,約8,000戸の減少ではありますが,空き家率は約12.9パーセントで,全住戸の1割以上を占めています。私が住んでおります右京区におきましても,平成25年の調査によりますと1万1,860戸,空き家率11.5パーセントとなっており,行政区別に見た場合,人口が多いこともあり3番目の空き家数になっています。また,高齢化率が高くなるほど空き家率も高くなることから,今後も社会情勢によって増加していくのは周知のとおりであります。空き家対策については,学区全体の空き家についての情報把握や,地域住民への情報発信など,地域連携型空き家対策や,地域の集まりに司法書士などの専門家と京都市職員が相談に訪れるおしかけ講座など,特に空き家発生予防の観点から行われている事業と,防災まちづくり活動としての空き家対策。これら地域住民主体による対策は,これまで123学区で行われております。また,活用・流通に対しての補助金や相談などの事業も行われており,現在行われている対策については,課題検証しながら,今後より一層推進していただきたい対策であり,更に周知していただきたく思います。また,来年から始まる住宅用地特例の解除についても一定の効果を期待しています。この住宅用地特例の解除に当たっては,例えば課税通知書など所有者に文書を送付する際には,なぜ特例解除されることになったか,所有者に対しその深刻性が伝わる文書の同封など,より実効性のある取組をお願いいたします。 しかしながら,ここで申したいのは,特に管理が行き届かないなどの空き家についての対策です。想像していただきたいのは,自宅の周辺,または隣に管理が行き届かない空き家があった場合です。例えば,隣家の瓦やトタン,また外壁などがいつ落ちてくるか分からないような状況であったとき,例えば自宅の玄関前に,隣の敷地から生い茂っている木があったとき。もちろん危険性があり,また,例えそこまでの危険性がないと判断された場合であっても,精神衛生上も含め周辺住民にとっては,非常に苦しい状況になります。もちろんその対策として,空家等対策の推進に関する特別措置法及び京都市空き家等の活用,適正管理等に関する条例により,空き家及びその敷地の所有者及び管理者が適正管理を怠り,特定空き家等となった場合,段階に応じて市長が改善のための指導・勧告・命令等を行うこととされています。この場合,段階に応じた必要措置を採ることができますが,そのためには,まず1,そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれがある。2,著しく衛生上有害となるおそれがある。3,適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている。4,その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切な状態など,管理不全状態と認められる必要があります。そして,特定空き家等の調査及び認定に対応し切れなかったり,認定に慎重であった場合,先ほどの例のような状態のまま相当の日数が経過しても,助言・指導に至らないまま放置されるということが生じかねません。実際,これまで要対応案件2,158件中1,103件の改善で,解決件数は約51パーセントにとどまっており,また,私が実際に住民の方から御相談を受けた案件を例にとりましても,現地調査から最初の通知まで約5箇月を要しています。京都市条例では,緊急安全措置として,人の生命,身体又は財産に危害が及ぶことを避けるため緊急の必要があるほどに危険性の高い空き家であれば,助言・指導,勧告,命令を経ずして必要最小限の措置を行え,また,軽微な措置として,防災上等の支障を除去・軽減できますが,どちらも特定空き家等の認定が必要であり,また,それぞれ緊急の必要,軽微な措置を採ることで防災上等の支障を除去・軽減できることの認定が前提となり,こちらもその認定が迅速でなければ有効に機能しない場合があります。また一方で,平成26年から,これまで累計にして約3,100件の通報,毎年400件から500件の新規通報があります。民間委託を活用しながら,少ない人員での現地調査や時間の掛かる所有者調査をできる限り迅速な対応をするために,担当職員の方々も汗をかいておられる現状です。 そこで,今後増加していく空き家への対応,来年から始まる管理不全空き家への取組として住宅用地特例の解除への対応,また先ほど申したように,今現に隣家や周辺にある空き家によって困っておられる住民・市民の皆さんに,より一層迅速な対応をしていただきたいのですがいかがでしょうか。今後の対策についてのお考えをお聞かせください。 次に,薬物乱用対策について質問いたします。昨今,有名人などの薬物乱用についての事件がメディア等により大々的に報じられる機会が多くなっているように感じます。薬物がファッション化し,特に若者が手を出してしまう状況に私は危機感を覚えます。京都府内におきましては,平成30年中の薬物事犯の検挙人員は332人で,平成29年と比べ13人減少しています。そのうち,覚せい剤事犯の検挙人員は221人で,こちらも前年と比べると10人減少していますが,全薬物事犯の検挙人員の66.6パーセントを占めています。また,大麻事犯の検挙人員は105人で,前年に比べ7人減少し,こちらは全薬物事犯の検挙人員の31.6パーセントを占めています。どちらも前年と比べると減少していますが,過去5年を見ますと,薬物事犯検挙人員は,平成26年で317件,27年で318件,28年で337件,29年で345件とほぼ横ばいに推移しています。京都市におきましては,特に若年層の事例としまして,平成27年には市立小学生が,28年・30年・本年3月には中学生がいずれも大麻によって摘発されています。また,更に直近になると,本年10月に大学生・大学院生が大麻所持によって起訴されています。本年3月の事件の際には,京都市教育委員会在田教育長も緊急校長会において,極めて深刻に受け止めていると強い危機意識を示されました。インターネットなどにより,子供たちにとって身近に迫ってきてしまっており,特に低年齢化してきています。また先ほど申しましたとおり,有名人などの事件の報道によって,間違った捉われ方をされる危険性もあります。私も子供を持つ親として非常に深刻な状況と受け止めていますし,何としても子供たちを守らなければならないと感じています。 現在,京都市教育委員会では,薬物乱用防止教室の実施を小学校・中学校・高校全校において年1回実施され,また毎年教職員研修を実施されています。また,薬物乱用対策については,京都府薬物乱用対策推進本部により,オール京都で未然防止対策・再乱用防止対策・取締対策・監視指導対策等,京都市ももちろんそれぞれにその役割を担っておられます。しかし,それが若者に充分伝わっているのか。また,防災意識と同じように危機感が共有されているのか。子供や地域活動の関わりの中で,まだまだ不十分と考えています。また,市長がメッセージを発信していただくことはもちろん,私も議員活動を通じ行ってまいりますが,特に子供たちとの接点がある教育現場において主体的に取り組まれることが求められると考えます。 そこで,特に教育現場において保護者・地域・各種団体との連携は充分なのか。また,実態把握はどの程度できているのか。相談・報告等のしやすい環境になっているのか。実態把握については難しい部分があるかと思いますが,例えば関西4大学は,独自に薬物に関する意識調査を行っておられます。このような取組を今後更に考えていく必要性もあるかと思いますし,また,相談・報告などについては,SNSを活用して相談等しやすい環境づくりなども考えられるかと思います。現状の認識と今後の取組についてお聞かせください。 次に,高齢者の就業機会確保などによる更なる活躍について質問いたします。高齢者の方々は,今の時代,社会の貴重な戦力であると私は思います。ちなみに高齢者とは,日本では65歳以上のことを指しますが,60歳代の方が私にはとてもいわゆる高齢者とは感じません。今年は,団塊の世代が70歳以上になる年に当たり,70歳以上の人口は前年比98万人増の2,715万人となり,総人口の21.5パーセントに達しました。65歳以上の人口は前年比32万人増の3,588万人で,総人口の28.4パーセントを占めています。また,労働力調査によると,2018年の65歳以上の就業者は過去最多の862万人となり,15年連続で増加しています。一方で,少子高齢化に伴い全国的にも労働者不足であり,京都府においても,例えば本年7月の有効求人倍率は,建設・採掘の職業では8.58倍,保安の職業では7.26倍,輸送・機械運転の職業は3.34倍でありました。職業別によって偏りはありますが,高い有効求人倍率となっています。国会においては,希望すれば70歳まで働けるようにする法案が検討されており,更なる就業拡大を目指そうとしています。 少子高齢化,労働者不足,健康長寿,社会保障費・医療費の抑制,生きがい,生活のためなど私は時代と共に変化し,これからの社会のためには必要なことではないかと思います。現在の経済情勢においては,行政がというよりは民間やハローワークでの就業機会の確保もしやすい環境にあるかもしれませんが,今後,京都市においても,様々な場面においての担い手・人材不足を解消する貴重な戦力として高齢者を捉え,就業を希望する高齢者に対する環境づくりのより一層の取組や活動のサポートが必要だと思いますが,いかがでしょうか。お考えをお聞かせください。 以上で,私からの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
    ◎市長(門川大作)こうち大輔議員の御質問にお答えいたします。 行財政改革についてでございます。私は市長就任以降,徹底した行財政改革を断行し,職員数を3,300人以上,年間の人件費を270億円削減するとともに,私も含め,副市長等の給与等のカットを続け,市民生活を守り抜くための施策を実施してまいりました。また,本市が返済に責任を負う市債残高につきましては,全会計で3,300億円縮減,さらに歳入面においても,課税自主権を活用し,昨年10月に宿泊税を導入し,今年度は42億円を確保する予定であり,この間取り組んできた経済政策により,税収はリーマンショック後から246億円増加し,明るい兆しも表れております。 しかしながら,地方交付税は,市税が増加すれば減少するという仕組みなどにより,ピーク時から442億円減少しており,来年度も厳しい予算編成となる見込みであります。一方で,相次ぐ災害から市民皆さんの命を守るための安全対策,全国トップ水準の福祉,教育,子育て支援の維持・充実,未来を展望した先行投資については,しっかりと行っていくべきと考えております。この間,ぶれずに取り組んできた文化を基軸にイノベーションを起こすまちづくりにより,京都の魅力,都市の総合力は大きく向上しております。これを市民の皆さんの豊かさに,将来の税収の増加につなげるよう活力あるまちづくりに向けた産業用地の確保や,クリエイティブな人や企業の集積,地域企業の持続的発展への支援等に取り組んでまいります。あわせまして,社会経済情勢を捉えた事業の再点検・見直しにも危機感と創造性のある発想をもって取り組み,スクラップ・アンド・ビルドを徹底してまいります。 また,京都の地域力・民間の力を最大限いかし,これまで行政が主体となって取り組んできました事業についても,自走化も促進してまいります。なお,職員の給与につきましては,地方公務員法において,国や他の地方公共団体,市内民間事業所の給与等との均衡を考慮して定めなければならないとされており,また,厳しい財政状況にはあるものの,将来にわたって京都市政を担う優れた職員を確保し,育成する観点からも,人事委員会勧告の内容は最大限尊重するべきであると考えております。  以下,副市長及び関係理事者が御答弁申し上げます。
    ◎副市長(鈴木章一郎) 空き家対策についてでございます。本市では,国に先駆けて平成26年に空き家条例を施行し,市民の皆様をはじめ多様な主体の方々の御理解と御協力の下,総合的な空き家対策を展開し,国が昨年実施した住宅・土地統計調査では,全国的には空き家数が増加する中,本市では初めて空き家数が減少いたしました。しかしながら,少子高齢化の進展などにより,今後は空き家の増加が想定されることから,本年8月には,空き家の更なる活用促進のための抜本的な空き家対策を取りまとめました。これを受けまして,空き家対策として指導する住宅用敷地の固定資産税を6分の1に減額するなどの住宅用地の特例につきまして,指定都市で初めて,独自の基準を定め,基準に該当する管理不全の空き家に対しては,令和2年度課税分から,この特例による減額を適用しないこととしており,効果的で丁寧な運用を図ってまいります。 なお,市民からの通報等に基づき,周辺地域に危険を及ぼしかねない空き家については,外壁の落下防止等の緊急の安全措置を講じておりますが,所有者の特定の困難さなどから,改修や除却などの解決に至るまでには時間を要しておりました。このため,相続関係の複雑な案件の所有者調査等を司法書士会に,さらに今年度からは,対応の必要性などを見極める初期調査を行政書士会に委託し,専門家の力を活用することにより,通報を受けた管理不全空き家の解決率については,平成27年度末の26パーセントに比べますと,令和元年9月末で51パーセントへと大幅に改善してきているところではありますが,引き続き,先ほどの運用体制の工夫等により,更なる解決率の向上と指導の迅速化に努めてまいります。今後とも,これらの空き家対策を強力に推し進め,市民の皆様の安心安全をしっかりと守ってまいります。以上でございます。
    ◎保健福祉局長(三宅英知)高齢者に対する就業支援についてでございます。人生100年時代を迎えようとする中,高齢期における豊かな生活を続けていただくためには,高齢者それぞれの経験や意欲,能力に応じ,地域活動の担い手やボランティアとして御活躍いただくことに加え,就労を希望される方には社会の貴重な戦力として活躍していただくことが,これからの京都のまちづくりにおいて極めて重要であると考えております。雇用行政はハローワークや京都府が担っておりますが,本市においては,臨時的かつ短期的な就業を希望する高齢者のニーズに応じた就業機会を創出し提供する,京都市シルバー人材センターへの支援を行っているところであります。この間,就業開拓員による民間企業等への訪問活動等により,年間3万件を超える業務を受注し,契約金額は着実に増加してきており,業務内容についても,ニーズの高い屋内清掃や除草などに加え,子供の一時預りや京都ならではの修学旅行生の観光ガイド,さらには介護予防・日常生活支援総合事業における支え合い型ヘルプサービスへの従事など,幅広い業務を行っております。さらに今後は,シルバー人材センターと連携して,受注と就業ニーズとの関係を分析することにより,マッチングが円滑に行われ,より多くの方に利用される取組を進めてまいります。また,短期的な就業だけでなく,現役として働き続けたいという方のために,国や京都府,経済界等とも連携して,高齢者の雇用の在り方を検討していくことで,多様な担い手が活躍できる社会の実現に取り組んでまいります。以上でございます。
    ◎教育長(在田正秀) 薬物乱用防止対策についてお答えいたします。子供たちを薬物の危険性から守るためには,薬物が子供たちの身近に迫っているとの強い危機感を全ての大人が共有し,行動に移していかなければならないと考えております。本市では,平成27年度の中学生の逮捕事案を受け,保護者・地域・関係機関と危機感を共有し,28年度から児童・生徒への指導・啓発に向けましては,全ての小・中・高等学校での薬物乱用防止教室の開催,また教職員の指導力向上に向けましては,独自の指導資料の作成や全校が参加する研修会を毎年開催しております。さらに30年度には,市民共通の行動規範である京都はぐくみ憲章におきまして,子供の命や安全を脅かす緊急課題の方策に位置付け,実践行動の拡大に努めるとともに,PTAや青少年健全育成団体等と連名で緊急メッセージを発信するなど,保護者・地域等との連携に取り組んでまいりました。実態調査につきましては,27年度から実施されております京都府警のアンケートに本市も協力することで,生徒の意識把握などに努め,指導や保護者啓発の充実に活用しております。 さらに,児童・生徒自らが薬物を拒絶する規範意識の向上に学校全体で取り組むため,発達段階に応じて,教科横断的に指導できる本市独自の指導計画,薬物乱用防止教育スタンダードを新たに作成し,今年度中に学校へ配布・活用してまいります。また,未然防止の観点からは,子供たちの小さな変化や兆候も見逃さず,手遅れのない対応と心の通った指導を徹底することが大切であり,スクールカウンセラーの全校配置やこども相談センターでのカウンセリング,電話相談窓口の設置に加え,昨年度からはSNSの活用を開始し,相談体制の充実に努めております。引き続き,家庭・地域・関係機関と連携し,子供たちの命と未来を守り抜くため,薬物乱用防止の取組を一層推進してまいります。以上でございます。