令和3年2月市会本会議代表質問:こうち大輔

2021年7月9日  
    A1 「行財政改革の6つの視点」と令和3年度予算編成について
    ・  集中改革期間の考え方について
    ・  これまでに財源ねん出ができなかった理由について
    ・  消費的経費の見直しについて
    ・  投資的経費について
    ・  「行財政改革計画」策定にあたっての考えについて
    ・  地下鉄事業について
    B2 京都市最大の情報インフラとしての京都市公式LINEアカウントのさらなる活用について
    こうち大輔議員 右京区選出のこうち大輔です。日本維新の会京都市会議員団を代表し,この後の菅谷浩平議員と共に質疑を行います。 質問に先立ちまして,コロナ禍となり早1年以上となり2度にわたる緊急事態宣言を含むこの間の新型コロナウイルス感染症により,お亡くなりになった方々と御遺族や関係者の皆様に対しまして心よりお悔やみ申し上げますとともに,今なお療養中の方々に対しまして心より御回復をお祈り申し上げます。また,医療従事者の皆様をはじめ,全てのエッセンシャルワーカーの皆様に対しまして,心より敬意と感謝を申し上げ質問に移ります。まずは,行財政改革の六つの視点と令和3年度予算編成について質問いたします。令和3年度予算案につきましては,先に示されております行財政改革の六つの視点の考えを採り入れた予算編成となっており,それらにより収支不足を補う財源捻出がされております。これら六つの視点による行財政改革施策の中でも,特に歳出削減については,税収の増加や将来の担税力強化のように中長期的な効果が得られる施策とは別に,現在の危機的な京都市財政に対して必要な即効性が見込めるものであります。その点におきまして,来年度 予算編成を行うに当たり最も重要な施策となると認識しております。改めてそういった観点からお聞きいたします。まず初めに,今回の集中改革期間については,令和3年度から令和5年度の3年間を設定されております。来年度から示されている最大6パーセントの職員の給与削減についても3年間を計画されておりますが,一方で,市税を主とした一般財源歳入の中期試算は,リーマンショック後の名目経済成長率を参考にしており,収支回復についても同様に約10年で回復することを想定し算定されております。そういった中で,現時点で集中改革期間を3年間と設定された根拠と考え方について改めてお答え願います。この3年間でおよそ必要な行財政改革について完了する計画と捉えてもいいのか,若しくは,状況によっては期間設定に幅を持たせるお考えなのか併せてお答え願います。 次に,今回の行財政改革の六つの視点により歳入増も含みますが,財源捻出額は約215億円になります。これまで再三にわたりあらゆる施策をゼロベースで見直すとの答弁がありましたが,令和3年度に財源捻出ができた理由,これまでにできなかった理由をお答え願います。ゼロベースで見直すと言ったものの,元々そこまでの行財政改革に着手できていなかったのか,若しくはようやく準備が整ってできるようになったのか,どのような理由なのでしょうか。仮にこれまでも本気になってやろうと思えばできたのであれば,京都市財政に対しての危機感が足りずに財源捻出の機会を逃していたことになります。明確な理由をお答え願います。次に,いわゆる消費的経費の見直しについてですが,令和3年度財源捻出額は58億円となっております。この中で,事業のスクラップ・アンド・ビルドによる歳出削減は,7事業1億円,補助金,支援金等の見直しによる歳出削減は51事業8億円とのことです。これらは,令和4年度以降もより一層の見直しを行う道筋の中での取組との認識を持っておりますが,スクラップ・アンド・ビルドについては,全事業を見渡しての1億円では規模が小さく,本当にゼロベースで見直されているのか疑問に思います。まだまだ考えられる事業が残っていると見ていいのか,改めてお答え願います。また,補助金,支援金等の見直しについて,補助金等交付額が令和元年度決算で515件,約176億円,令和2年度予算においても528件,約177億円の規模からすると,こちらも削減額が小さく思います。このことについては,京都市持続可能な行財政審議会におけるこれまでの議論の中でも,検証と精査の必要について意見がされており,今市会冒頭の市長説明では,その全てを,一旦,休止したら何が起こるのかとの観点から総点検し,見直すべきものは令和3年度から直ちに見直してまいりますとのことでしたが,今後,より一層の精査を行うのか改めてお聞きします。 また,京都市補助金等の交付等に関する条例で定めている補助事業の条件がかなり幅広いため,もっと厳しく精査する必要があるのではないかという点や,定期的に適正性をチェックする仕組みが重要であることも指摘されております。本条例にはその点についても一定定められていますが,運用面の在り方について,課題を含め現時点でどのように考えておられるか,交付の決定をされる市長のお考えをお答え願います。また一方で,京都市独自でも充実してきた特に福祉,子育て支援等の補助については,できる限り慎重に考えていただけますように求めます。イベントの見直しについては,令和3年度京都市主催イベントについては,全て予算計上の見送り,共催,実行委員会形式のイベントについても,新たに京都マラソンなど京都市負担ゼロで実施する事業もあります。今後これを契機に,令和4年度以降も引き続き見直すイベントの精査や,収支の観点をできる限り導入し,収支ゼロ,さらには収入となるものにしていくなどの取組を改めて求めます。また大規模施設運営については,例えば来年度予算に,京都市美術館の運営に約12億7,000万円,ロームシアター京都指定管理料に約3億6,000万円,梅小路公園管理運営に約1億4,000万円などの予算がそれぞれ計上されております。それぞれ,事業の見直しにより財源捻出もされており,現在は新型コロナウイルス感染症の影響もあるかと思いますが,今後より一層利用者増により収益を増やし,京都市負担の軽減に努める必 要があります。その中で梅小路公園について,水族館や鉄道博物館等の施設から使用料収入を得ている現状に加えて,更なる収益の可能性を最大限に検討し,公園単体の収入により公園運営が行えるように目標をはっきりと定めるべきと考えます。直近で言えば,PFIの活用による七条入口広場の屋外型スポーツ体験広場の設置と併設するカフェのオープンもありましたが,民間のイベントによる更なる収益や,例えば今後緑の館の更なる活用策なども考え,また公園内での広告事業の可能性の検討など,指定管理者ともより一層連携のうえ取り組むべきだと考えますがいかがでしょうか。お答え願います。次に,いわゆる投資的経費についてですが,大型公共工事について,持続可能な財政運営に道筋を付けるため特に重要な期間であるとの理由から,少なくとも令和3年度から令和5年度の間,新規着工など14事業について予算計上を見送ることとしておられます。このことについては,現在の危機的な京都市財政を考えれば,理解と一定の評価ができると考えております。しかしながら芸術大学移転整備事業については,京都駅 周辺の魅力あるまちづくりの推進や世界の文化首都・京都の理念は理解できますが,市民サービスの後退なども考えられる中で,総額約270億円,令和5年度までに一般財源より約60億円の工事費支出があり,市民理解が果たして得られるのか疑問です。芸大移転による都市格の向上が与える効果や経済的効果も含めて,その理由はまだまだ市民に伝わっておらず,理解を得るための説明をより十分に行うべきと考えます。市長におかれましては,市民理解は十分に得ているとお考えでしょうか。お答え願います。また,この場におきましても,改めて見送らない理由の御説明を求めます。また,日本維新の会市会議員団ではかねてから,移転整備事業費についてネーミングライツ等の活用によって財源を確保できないかという提案もこれまでいたしておりましたが,学校については庁舎や病院と同様にネーミングライツの付与の対象外とされているとお聞きしております。せめて,事業費確保のためにも工夫をし,例えばホール等の個別施設にネーミングライツを活用するお考えはないのでしょうか。お答え願います。 以上,行財政改革の六つの視点に沿って令和3年度予算案について質問と要望をいたしましたが,来年度早々に策定されます改革に特化した分野別計画である行財政改革計画への反映を求めるとともに,計画内においては,でき得る限りの具体的数値を用いた,市民に分かりやすく何を我慢し負担を分かち合うのか,このような危機的状況をどのようにして脱却するのかをしっかりとお示ししていただき共有していただくことを求め,併せて策定に当たっての考えをお答え願います。 また,公営企業の来年度予算並びに今後の運営についても非常に厳しいものがあります。特に,地下鉄事業については,新型コロナウイルスの影響により約82億円の運賃収入の減収,58億円の大幅な赤字を見込み,経営健全化団体となる見込みとなっています。社会の変化もあり,コロナ以前のように観光客,通勤客共に戻ってくるのか不透明な中での厳しい再建となりますが,市民の足と家計を守ることを大前提とし,運賃の値上げを考える前にでき得る全ての策を講じていただくことを求めます。観光客の増加により観光公害とも 言われながらもその対策もしてこられましたが,今後また観光客をより一層取り込んでいかなければならない現実も考えられます。またあわせて,京都市一丸となってでき得る国への要望なども考えていかなければならないと考えます。現時点においての,今後の経営への基本的な考えをお聞きします。ここで一旦,これまでの質疑の御答弁をお願いします。
    市長(門川大作)こうち大輔議員の御質問にお答えいたします。行財政改革についてでございます。本市では,この間,歳入増加策や職員数3,500人の削減など行財政改革による財源捻出に取り組んでまいりましたが,本市財政は,長期にわたる収支不均衡に今般のコロナ禍が加わり,収支不足が更に拡大し,試算では,令和8年度にも公債償還基金が枯渇するという危機的な状況であります。このような中,開かれた場で議論を深めていただいている京都市持続可能な行財政審議会からの来月の答申や,市民の皆様の御意見も反映させたうえでの行財政改革計画を早期に策定し,将来の税収増加 に向けた積極,果敢な取組も含め,補助金,施設使用料の総点検や見直し,敬老乗車証の在り方検討などの抜本的な改革を本格化させてまいります。一方で,本市財政の改革は待ったなしの状況であることから,行財政改革計画の策定を待つことなく,令和3年度から5年度までの3年間を,改革を早期に実施し,その効果を最大限に積み上げるための集中改革期間と位置付け,令和3年度予算の編成にも可能な限りの改革を断行いたしました。今後も,集中改革期間はもとより,これまで未着手の分野について,大胆な改革を断行してまいります。補助金については,国制度が不十分であった時代に開始した本市独自の施策が,この間,国の施策の充実等があっても水準をそのままにしているものもあり,そういった変化や政策目的の達成状況を踏まえ,必要性,効果,適正な補助率や補助対象等について直ちに総点検に取り組み,更なる見直しを実施してまいります。梅小路公園につきましては,民間活力を積極的に活用し,屋外型スポーツ体験広場等の新たな施設のオープンや,JR西日本と連携したイベント開催など魅力向上に精力的に取り組んでおります。公園は,都市の魅力,活力,憩いを生み出す貴重な空間であり,民間活力の導入をはじめ既存の枠組みに捕らわれない利活 用に向けた検討を進め,歳入の確保,更なる活性化を推進してまいります。次に,芸術大学移転整備事業についてでございます。文化を基軸とした都市運営に取り組む本市では,京都駅東部エリアに文化芸術都市・京都の新たなシンボルゾーン創設を目指しております。現在,移転予定地は,様々な関係者の御尽力によりまちの姿が変化し,また文化庁の京都への全面的移転を控えまして,本市と芸術大学への期待が大きく高まっているところであります。この機会を捉え,交流人口の増加,にぎわい創出,産学公連携のスタートアップ・エコシステムの醸成等にもつながる本事業を着実に推進し,早期の経 済活性化に取り組むとともに,市民の皆様への本事業の意義等を丁寧にお伝えしてまいります。また,大口の寄付獲得のため,引き続き,企業等に対して京都芸大と共にしっかりと働き掛けてまいります。 こうした行財政改革を進めるうえで,市民の皆様とビジョンと危機感を共有することが最も大切であります。行財政改革計画の策定において,具体的な改革メニューと数値目標等をしっかりとお示しし,市民の皆様への説明責任を果たしてまいります。以下,関係理事者が御答弁申し上げます。
    公営企業管理者(山本耕治)地下鉄事業についてでございます。かつて危機的な経営状況にあった地下鉄事業は,市民や市会の皆様の御理解,御協力の下,絵空事とまで言われた地下鉄1日5万に増客をインバウンドを含む観光利用の増加に支えられ実現し,計画に掲げた5パーセントの運賃改定も回避しつつ,大きく経営改善を果たしました。しかしながら,新型コロナウイルス感染症の影響により,お客様数は大幅に減少し,直近2月の地下鉄のお客様の御利用状況は,昨年度に比べ平日で3割,土曜,日曜では4割を超える減となっており,令和2年度の経常損益はマイナス61億円の赤字となる見込みであり,令和2年度決算をもって経営健全化団体となる可能性が極めて高い状況にあります。今後も経費節減と併せ国に対して抜本的な支援を強く要望してまいりますが,テレワークの浸透など新たな生活様式の定着やインバウンドの早期の利用回復が見込めず,極めて厳しい経営環境が続きます。市民の足を守り抜くうえでは,運賃改定の議論も見据えておくことが必要ですが,まずは市民の皆様に地下鉄をより一層御利用いただくため,かつてない危機的な経営状況について市民の皆様に丁寧に説明し共有したうえで,経営改善に取り組むことが重要と考えております。今後,ホームページ等でお客様の御利用状況だけでなく運賃収入の状況など経営状況を分かりやすくお伝えし,市民の皆様により一層地下鉄を応援したいという気持ちになっていただき,御理解と御協力を賜りながら市民の足を守り抜いてまいります。以上でございます。
    こうち大輔議員 行財政改革の実行と財政再建や公営企業の今後の経営や経済復旧も,全てコロナワクチン接種を確実に速やかに行うことに尽きると思います。我が会派で行ったワクチン接種に関する市民の方へのアンケートによると,速やかに接種したいとの回答が約46パーセントである一方,まだ検討中が約38パーセント,接種したいと思わないとの回答も約10パーセントでありました。やはり不安に思っておられる市民の皆様へのきめ細かな対応を強く求めておきます。次の質問に移ります。京都市最大の情報インフラとしての京都市公式LINEアカウントの更なる活用について質問いたします。今回のコロナウイルスワクチン接種の予約受付について,LINEの活用が検討されています。このLINEの活用については,現在約300以上の自治体が導入予定とお聞きしております。この方法については,電話受付のみで対応することが物量的に困難を極めるであろうという中で,大変有効 な策だと思います。また今回,京都市公式LINEアカウントをワクチン接種の予約入口とすること,接種券などにQRコードを掲載されるとのことです。これらにより,現在の約4万3,000人の登録者数から,かなりの登録者数増加が見込めると考えています。また今回の機会をしっかりと捉える必要があると考えます。少なくとも,数十万単位の登録者数増加を達成し,これまでにない京都市が持つ送受信可能な最大の情報インフラに発展できる機会として捉えることができているか,まずはその認識についてお聞きします。また,各種証明書などのオンライン申請や粗大ごみの収集申込み,運動施設の予約や各行政区別の情報発信など,既に活用している自治体の例を見ても便利ですし,今後更に発展していくことが可能です。さらに,現在ある京都市の各種アプリなどの機能の集約化も考えられ効率化も可能です。今後,京都市ICT戦略を進めていくうえでも,デジタル化推進担当が旗振り役となり全庁横断的に取りまとめて最大限に活用していくことを提案しますがいかがでしょうか。お答え願います。以上で私からの代表質疑を終わります。御清聴ありがとうございました。
    副市長(岡田憲和)京都市のLINE公式アカウントの活用についてでございます。本市では,平成30年6月のLINE株式会社の京都における技術開発拠点設置以降,同社との意見交換を重ね,同年12月に締結した包括連携協定に基づき,教育や防災など様々な分野において協働した取組を進めてまいりました。LINEは速報性に優れ,プッシュ型での情報発信も可能なことなどから,市政の広報手段として有効な媒体の一つであると認識をしており,これまでから登録者数,いわゆる友だちの獲得に努めてまいりました。ワクチン接種につきましては,前例のない国家的事業でございます。市民の皆様の命と健康を守り社会経済の安定につなげていくためにも,接種を希望される方全員が,迅速,確実,安心安全に接種いただくための体制づくりが何にも増して重要でございます。そうした観点の下,昨年末の段階から相談体制や予約システムな どの在り方を検討し,電話やファクス,インターネットに加えLINEについても予約入口とするように準 備を進めてまいりました。また,接種券に同封するチラシにLINE公式アカウントのQRコードを掲載することも予定をしており,これらによって登録者の更なる新規獲得にも寄与するものと考えております。行政手続のオンライン化につきましては,現在,デジタル化戦略監をトップとした庁内横断的なデジタル化推進プロジェクトチームにおいて各手続の現状把握を進めており,今後,課題を整理,分析したうえ,ロードマップを策定し,着実に取り組んでまいります。オンライン申請の画面や操作性など,市民の皆様にお伝えいただきやすい形とすることは言うまでもなく重要なポイントであり,ロードマップの策定と併せて,どのような形が最適か,幅広く検討をしてまいります。以上でございます。