令和3年2月市会本会議代表質問:菅谷浩平

2021年7月12日  
    A1 市の財源確保策と財政再建について
    2 市の人件費について
    B3 市施設等の管理や運営のあり方について
    4 新型コロナウイルス感染症対策等について
    菅谷浩平議員 京都市北区選出の菅谷浩平です。こうち大輔議員に引き続き日本維新の会京都市会議員団を代表し,令和3年度2021年度京都市一般会計当初予算案について質疑をいたします。 初めに,京都市は,来年度予算編成に当たり,500億円にも上るとされる巨額の財源不足に対し,2021年 度から3年間を集中改革期間と位置付け,更なる行財政改革を推し進めていくとのことであります。そこで,令和3年度京都市一般会計当初予算案に基づき,過去最高額となった公債償還基金の取崩しなど,今後の市の財政再建の方向性についてと市職員の人件費削減について質問をいたします。まずは,来年度予算編成に当たって過去最大の取崩し額となった公債償還基金など,市の財源確保策についてお聞きします。京都市は,来年度予算案において,六つの視点から合計215億円の財源捻出を計画しています。しかしながらそれでもなお財源不足500億円の半分にも届いてはおらず,公債償還基金の取崩しを 来年度,更に181億円も予算計上し,行政改革推進債32億円と調整債23億円とを合わせて合計236億円の借金 増で賄っている点について,今回市が示した予算案では,集中改革期間とやらの本気度が残念ながら伝わってはきませんでした。コロナウイルス拡大による経済活動の停止などで,来年度は市の税収が落ち込むことを踏まえても,財源不足の半分以上を借金に依存しているようでは,市の体質がこれまでと根本的には変わっていないと言わざるを得ません。昨年末に開かれた門川市長の諮問機関である京都市持続可能な行財政審 議会の傍聴にも行ってきましたが,そこでは,有識者の委員たちからも,市は,収入の範囲内で予算を組むのが普通であり,特別な財源対策に依存し続けてきた市の姿勢に市民の理解は得られないのではないかといったようなやり取りがあったことが非常に印象的でありました。そこで,2008年の大阪府での事例を一つ紹介させていただきます。当時,大阪府では,将来の借金返済のために積み立てていた減債基金を5,000億円以上取り崩してきており,早期健全化団体に転落しかけていました。正に今の京都市と同じ状況であります。そのような中,大阪府知事に就任した橋下徹氏は,就任直後に財政非常事態宣言を発出し,府の職員に対しても,あなた方は破産会社の従業員だという自覚を持ってくださいと訴え掛け,組織の意識改革を行いました。そして将来の借金返済のために積み立てていた基金の取崩しを一切取りやめ,就任1年目から1,100億円 の収支改善を果たしました。このときの橋下氏の基本的な考え方が,正に先ほど紹介した収入の範囲内で予算を組むというものであります。しかしながら京都市は,来年度から2023年度の集中改革期間においても,基金の取崩しからの脱却を明言せず,2025年度に公債償還基金の残高を1,000億円以上,2033年度には市として1年分の借金が返済できるだけの僅かな額を残すことを最低限の目標としており,これまで市が取り崩してきた基金をいかに復元していくのかについては何ら具体的な数値目標が示されていないのであります。ちなみに,これまで市は,既に2019年度の決算値で585億円もの公債償還基金の取崩しをしており,2020年 度には642億円の取崩しが見込まれ,さらに来年度の取崩し額181億円を合わせると累計で823億円となり,正に急速なスピードで基金の残高が減ってきていることになります。これを誰かが今後復元していく責任があるわけでありますが,一体誰がそれをしていくのでありましょうか。暮らしに安心,まちに活力,未来に責任,これは門川市長がよく使われるフレーズでありますが,門川市長にとって未来に責任とは,一体何を意味するのでしょうか。昨年の我が会派の総括質疑においても,門川市長は,財政健全化に向けて,いよいよ加速していくときだと力強く御答弁をされていました。そのことを踏まえると,少なくとも残りの任期の間に,基金の取崩しに依存する市の財政構造を改めさせ,1円でも多く取り崩した基金を復元させるのが市長に残された最低限果たすべき務め,責任ではないのでしょうか。この点について門川市長のお考えをお聞かせください。次に来年度の市の人件費についてお尋ねします。まず,集中改革期間中,門川市長は月額給与の30パーセント,副市長は15パーセントのカットを行うこととなっています。あわせて,今回の予算案では,先に述べた改革の視点として,組織,人員体制,人件費の適正化を掲げており,業務の効率化や職員数の適正化,時間外勤務の縮減などで,市としての人件費の削減額が令和3年度で計28億円となっており,一般職の給与は最大で6パーセントカットされることになっています。しかしながら,カットの対象となるのは本給のみで,管理職の手当や私がかねてから指摘をしているような市長や副市長に毎月10万円近く支払われてきた特別職への地域手当の廃止などは盛り込まれておりません。本当に手当については見直しをされるおつもりはないのでしょうか。先に指摘をさせていただいた公債償還基金の取崩しからの脱却と取崩しをした分の復元に本気で道筋を付けようと思えば,人件費の削減額28億円はさすがに少ないと考えます。本給及び今回抜本的には手を付けられなかった各種手当の見直しについて,今後見直しをする予定があるのかないのか,市の見解をお答えください。あわせて,先の代表質問でも同僚議員から指摘がありましたが,任期4年の公選職である立場の門川市長 におかれては,京都市が北海道夕張市のような財政再生団体に転落しかけている現下の状況下において,数千万円もの退職手当を受け取られることに対して,140万市民の理解が得られるとは到底思えません。ここは,門川市長の任期の間だけでも市長に対する退職手当を廃止するような条例案を御自身から出されるべき と考えますがいかがですか,併せてお答えください。ここで一旦,これまでの質疑に対する答弁を求めたいと思います。
    市長(門川大作)菅谷浩平議員の御質問にお答えします。今後の財政運営についてでございます。私は,昨年の市長選挙において,持続可能な財政の確立をお約束し,挑戦と改革,成長戦略による財源創出と徹底した行財政改革を両輪で進めるため,開かれた場である京都市持続可能な行財政審議会を設置し議論を重ねてまいりました。コロナ禍により財政状況の悪化に拍車が 掛かり令和8年度には公債償還基金の枯渇が見込まれる極めて厳しい状況の今日であります。今は何としてもこれを回避することに全力を尽くさなければなりません。こうした状況を市民の皆さんに丁寧に説明するとともに,持続可能な行財政審議会からの答申を受け,市民の皆様の御意見聴取,パブリックコメントを経たうえで行財政改革計画を来年早期に策定し,具体的な方策と数値目標を盛り込み,抜本的な改革に覚悟を決めて取り組んでまいります。そのうえで,コロナ禍で不透明性が増す社会経済情勢を見極めながら,令和 5年度までの集中改革期間の成果を踏まえまして,可能な限り早期に基金の計画外の取崩しからの脱却に向けた道筋を示してまいります。危機的な財政状況の中にあっても,市民の皆様と共に培ってきたSDGs,レジリエンス,文化力をいかして,一人一人の子供を徹底的に大切にする教育や全ての世代の方々が安心安全に豊かに暮らせるまちづくりを進め,希望の持てる未来を切りひらくこと,これこそが私の思い描く今と未来に責任を果たすことだと考えており,全身全霊を傾けて取り組んでまいります。以下,関係理事者が御答弁申し上げます。
    監察監(川端昌和)人件費についてでございます。今般の職員の給与カットにつきましては,危機的な財 政状況にあっても,市民の命と暮らしを守っていくため,3年間で50億円の財源を捻出することを目的に,本給を対象に,臨時,特例的な措置として実施しようとするものでございます。本給や手当など職員の給与制度につきましては,これまでから人事委員会からの勧告や国,他都市との均衡を踏まえつつ,統括主任の廃止などの給料表の構造見直しや各種手当の見直しなどを実施しており,今後とも必要な点検,見直しを行ってまいります。また,市長及び副市長の給与カットにつきましては,本給,地域手当及びボーナスの全てを対象に,これまで20年以上にわたり継続して実施しており,今後3年間は,更にカット率を上乗せし,市長は30パーセント,副市長は15パーセントの減額を行うものです。なお,市長等の地域手当や退職手当につきましては,地方自治法及び本市条例に基づき実施しているものであり,一般的な制度であると認識しており,現時点では見直すことは予定をしておりません。以上でございます。
    菅谷浩平議員 市長に対して答弁を求めたわけですけれども,今,財政破綻しかけているこの京都市において,やはり市長として自分はこうしていくんだという力強い答弁がなかったことは非常に残念であります。是非,令和3年度の予算の執行に当たっては,でき得る限り歳出削減に努めていただきまして,将来に禍根 を残さない,そういう行政の運営をしていただきたいと切に願います。それでは,次の質問に移らせていただきます。次に,今後の市政運営において幾つか気になる課題を取り上げ,指摘をさせていただきます。まずは,高齢化社会,多死社会における市営墓地の管理料の滞納問題についてであります。現在,京都市をはじめ全国の自治体で問題になっているのが,公営墓地における管理料の未納が急増している点であります。新聞記事によれば,京都市も2006年度の時点では約280万円だった管理料滞納額が,2019年度決算では 約1,300万円と4.6倍にまで膨張しており,その歯止めが掛かっておりません。今後も増加することが予測される中で,管理料を納めている方との不平等や督促の際のコスト増を考えれば,今後はきちんと納付してもらえるような仕組みづくりへの転換が必要と考えますがいかがでしょうか。また,施設の在り方についても,集中改革期間の初年度にふさわしい見直しが本当になされているのか疑問であります。改革の視点では,市の施設保有量の最適化に向けた取組として,統廃合,集約化,複合化の推進をうたっています。例えば,京都市中京区にある万華鏡ミュージアム,コロナ禍前の来園者数で,年間約4万人ほど来ていただいているようでありますが,約1,500万円の公費で運営を継続させる必要はないと実際に現地を訪れてみても感じました。過去の議会の記録を読み返しても,隣接施設のパトナなどを利用される子供たちに癒しを与えているということを意義の一つに挙げていますが,それであればパトナの施設内などに展示スペースを生み出し,そちらで万華鏡を楽しんでもらうことで十分その役割は果たすことでできるはずです。今回の万華鏡ミュージアムは,あくまで1例として挙げただけで,ここだけ見直せばよいというものではもちろんありません。基本的な考え方は,行政が税金を使ってまで運営し続けていくべき施設であるかどうかであります。さらに,以前も指摘をしましたが,年間4,000万円近く掛かっている東京事務所などに関しても,在り方を見直すべきです。具体的には,今の東京駅の丸の内から電車でわずか3駅しか離れていない場所にある京都府の東京事務所との一体化です。先の議会で岡田副市長は,シティセールスに重きを置くため,たくさんの電車の路線が集中する東京駅近くの丸の内が最適と考えるといったような趣旨の答弁をされていましたが,コスト面と併せて今後ますます重要になるであろう府との観光面での連携,機能強化を考えれば,この提案もすぐに実行に移すべきであります。以上,市が保有または管理運営する施設の在り方について言及してきましたが,廃止できるものは廃止に踏み切り,まとめられるものはまとめるべきであります。そうでなければ,財政の立て直しなど夢のまた夢であります。市営墓地管理料の滞納問題,万華鏡ミュージアムの廃止,東京事務所の移転の是非について,それぞれ市としての考えをお聞かせください。最後に,新型コロナウイルス感染症対策についてであります。今年度,2020年度は,コロナに振り回された一年でありましたが,来年度の2021年度予算こそがコロナ社会に対応する本格的な当初予算案となります。 そこでまず大事なのは,2020年度に国からの交付金を中心に組まれてきた補正予算に基づくコロナ対策のための施策の効果検証であります。例えば,市のコロナ追跡アプリなどはほとんど効果を上げられていないと 事前に伺っております。効果の出ていないものに関しては,運用を見直すか,思い切って取りやめるかなど の対応をすべきと考えますが,市の2020年度に講じたコロナ対策に掛かる課題と来年度に向けた取組の改善 策についての考えをお聞かせください。また,コロナ社会における感染防止には,市民お一人お一人の協力が必要不可欠であります。そんな中,緊急事態宣言下にこのような声が市民の方から寄せられました。つまり,医療体制がひっ迫する中,市民に対して不要不急の外出を控えるよう依頼されているのに,市が管理するグラウンドを借りてそれまで週末に行っていた野球のリーグ戦を取り止めることを市やグラウンドを管理する団体に相談したところ,キャンセルは自由だがグラウンドの使用料は頂くとの回答であったそうであります。市にこの事実を確認したところ,2月7日までの緊急事態宣言中,市の方針は夜8時以降の外出自粛は求めており,市が所管する施設に関しても夜8時以降か否かをキャンセルとして認めるか判断しているとのことでありました。しかしながら,思い返していただきたいのですが,門川市長をはじめ京都市も京都府も,それから国も,緊急事態宣言発出中の 外出は夜の8時以降にかかわらずなるべくお控えくださいと,あらゆる場面において発信されていたではありませんか。それにもかかわらず,自治体や国の求めに応じようとする市民に対して,今回のような対応をされるのは行政の信頼に関わることであります。このような不合理な運用は是非見直しをしていただきたいと思いますが,改めて市の今後の対応を含め見解をお聞かせください。 そして最後に,2021年度のコロナ社会における最大の関心事は,やはり何よりもワクチン接種であります。先の本会議で補正予算案は可決しましたが,ワクチンの開発者によれば,今年の秋までに集団免疫の状態が作れるところまで持っていけるかが鍵であるとBBCイギリス国営放送の取材で答えておりました。京都市では,一般の人向けのワクチン接種については,接種券の発送準備を4月中に完了させることだけが決まっており,今年の秋までに集団免疫に必要とされる接種率60パーセントから75パーセントにまで持っていけるのか,市として何も示されておりません。ちなみに,大阪では今年の冬までに希望する方にワクチン接種ができるようにしていくと既に公表されていますが,その点についての市長の認識と決意をお聞かせください。また,人口に占める大学生の割合が全国一の京都市において,住民票が京都市に移されていない学生など特殊な事情を持った方に対してもスムーズにワクチンを接種してもらえるのか,市民の方からも心配のお声を頂いておりますが,そういった対応についてもどのようにしていかれるのか,市としての考えを最後にお聞かせいただき,令和3年度京都市一般会計当初予算案に対する私からの代表質疑とさせていただきます。ありがとうございました。
    副市長(村上圭子)新型コロナウイルスワクチン接種についてでございます。ワクチン接種につきまして は,今月17日から医療従事者の方への接種が開始され,国から示されました4月12日以降に65歳以上の方に対する接種,次に,基礎疾患を有する方等の接種,その後,一般の市民の方への接種を行うこととされています。国によるワクチンの供給等が流動的となる可能性もございますが,本市として柔軟かつ的確に,まずは高齢者の方のワクチン接種にしっかりと取り組んでまいります。さらに,希望される全ての市民の皆様に 安心安全かつ円滑に接種していただけるよう御提案している予算をしっかりと活用いたしまして,実施体制を整えてまいります。また,下宿する大学生などやむを得ない事情で本市に住民票がない方は,インターネットや郵送などでの簡単な届出を行うことで,市内で接種していただけることとなっており,分かりやすい情報の発信を図ってまいります。市民の皆様の命,健康,暮らしを守るため,医師会をはじめとする医療関係者との協力連携の下,全庁一丸となり,この前例のない国家的事業に全力で取り組んでまいります。以上でございます。
    副市長(鈴木章一郎)まず,市営墓地の管理料の滞納問題についてでございます。これは,使用者の死亡後に墓地が承継されないことが主な原因であり,相続人に手続を案内するほか,今年度から墓地管理システムを活用し,使用者の死亡時に機会を逃さず承継を勧奨するなど確実な納付に向け取り組んでおります。次に,施設保有量の最適化の取組についてでございます。京都万華鏡ミュージアムについては,こどもパトナの利用者に限らず,全国から多くの方々が来館され,併設するギャラリーにおいて市民の皆様や芸術家 の作品展示,発表の場を提供するなど文化芸術と生涯学習の推進に寄与しております。また,東京事務所に ついては,今後,首都圏での企業との連携強化がますます重要になると考えており,企業が集積している現在の立地には大きな強みがございます。引き続き,京都府とも連携強化を図りながら,東京事務所ならではの役割を果たしてまいります。御指摘の施設等については,以上申し述べたとおりですが,一方で,将来の公共施設の在り方につきましては,改革の視点に基づき,各施設が果たすべき役割を踏まえつつ,財政状況や社会構造の変化も考慮し,集約化や複合化,廃止のみならず,民間や他機関の施設による代替も選択肢の一つに入れて検討する必要がございます。来年度策定する行財政改革計画の中で,必要な市民サービスを維持しつつ,将来世代への負担の先送りにならぬよう取組を具体化し実行してまいります。以上でございます。