令和3年9月市会決算特別委員会市長総括質疑:こうち大輔

2022年7月8日  
    ◆委員(こうち大輔)

 
 

    よろしくお願いします。

 私の方から,まず質問に移る前に,財政状況を説明されるときの表現について,私の考えから進言いたしたいという風に思います。
 今議会の開会に当たっての市長の冒頭の御挨拶,説明の中で,また,今決算について市長が申されたことの中であったりとか質疑の中でも度々申されておりますけれども,市民に手厚い行政サービスを提供してきたから公債償還基金の取崩しなど,将来世代への負担の先送りとなる特別の財源対策に頼らなくてはならない,収支が均衡しない,実質的な赤字状態が続いてきたという風な表現というのがあったりします。こういった表現がすごく私は気になりまして,僕はやっぱり行政サービスを受けておられる,受けている市民がさも悪いかのような聞こえ方になってしまうんじゃないかというようなところを思いまして,確かに京都市は,国,そして他都市のサービス水準を上回る施策を実施している部分はあるかと思うんですけれども,逆に他都市の方が上回っているサービスももちろんありますし,そして,我が会派の宇佐美委員も,第1分科会でも指摘させていただきましたけれども,少なくとも20年以上にわたりまして収支不均衡がこの京都市では続いてきたわけです。
 ですので,何に問題があったかと言うと,市長も昨日の総括質疑の御答弁の中で,不断のチェックができていなかったと,それまでの制度を残していくことに重きを置きすぎたというようなことも申されております。全体を分かったうえで予算を決定していくわけですので,結果としては市長の最終的なマネジメントに問題があったということであったと思うんです。ですので,そのマネジメントに疑問があったので,過去,我々も,日本維新の会議員団として予算にも反対してきた経緯がありました。市民に手厚い行政サービスのためにこのような財政状態になっている側面があるというような聞こえ方にならないように,是非表現に気を付けていただきたいという風に思いますので,これは私からの進言ということでございます。よろしくお願いいたします。
 第3分科会に所属しておりましたので,まずは地下鉄事業の経営健全化団体と健全化計画について関連することをお聞きしたいというように思います。
 これまでの交通局の経営改善,それから,御努力についてはもちろん認めておりますし,コロナによって交通局職員の皆様も非常に悔しい思いをされておられるだろうという風に思いますが,コロナの影響によりまして,今決算をもって地下鉄事業が経営健全化団体という風になりますけれども,同じくコロナの影響によって,他の交通事業者であったりとか他都市の公営交通が同様に経営健全化団体になったりしている事例は今のところないということでありました。
 この差はどういったところにあるという風に認識をお持ちなのかをお聞きしたいと思います。

    ◎副市長(鈴木章一郎)

 
 

    経営健全化団体になる所とそうでない所の差ということでありますけれども,経営健全化団体は,資金不足比率が健全化基準の20パーセント以上になった場合にということでありますけれども,これは資金不足比率の算定に大きな影響を与えるのが累積の資金不足と現金収支であります。累積資金不足というのは,新型コロナの影響を受ける前の令和元年度においても305億円ということで,他の都市と比べても突出して高かったという状況がございます。また,現金収支については,運賃収入増減に大きく影響を受けるものの,令和2年度は新型コロナの影響によりまして交通事業者の運賃収入が大幅に減少したので,これは大幅に減少したというところであります。
     本市以外のところは,コロナ拡大以前において累積の資金不足がない,あるいは少ないということがあったため資金不足比率が生じず,健全化団体に陥る都市はなかったということでありますけれども,一方で,本市でありますけども,累積資金不足が371億円ということで,過去最大,また,本市の都市特性,これは観光や学生需要への依存度が高いということがございますので,他都市以上に現金収入,収支も減少したという点がございます。このために,資金不足比率が62.6パーセントということで基準を大きく超え,本市のみ健全化団体に陥ったということです。
    ◆委員(こうち大輔)

 

     市民にとって一番の関心と申しますと,やっぱり運賃改定についてだと思います。移動に対しての需要であるとか必要性というものはなかなか変わらないので,運賃改定によって大幅な客数の減というのはあまり今考えられないという風に思いますし,また,結構議論の中でもあったんですけども,公営交通の理念を守るために運賃を支払って公営交通に乗るという人というのは非常に少ないという風に思います。だからこそ,最大の運賃改定に踏み切るときには配慮が必要だという風に思います。
     そこでお聞きしたいんですけれども,8月の第2回の経営ビジョン検討委員会,ここまでは,運賃改定はあくまでもシミュレーションであったということであったんですけれども,先日,10月8日に第3回の検討委員会がありましたと。その後,産業交通水道委員会でも報告があって,議論をさせていただいたわけなんですけれども,それ以降,一気に運賃改定有りきでの議論,空気になってきているように思っております。昨日も市長の御答弁の中で,持続可能な公営交通のために値上げという負担はお願いしますというような表現がありました。ついこの間まで,運賃改定というのは最後の手段であって,まずはできる限りの改革を行ってからというようなことを,もちろん交通局の局長をはじめとして御答弁されてきたわけであるように思っております。
     この間で改革が行われたのか,若しくは市民が納得できる改革案が示せたのかという風に思っているんですけれども,その辺りはどのように考えておられますか。また,率直に運賃改定は,これは決定なのかお聞きしたいと思います。
    ◎副市長(鈴木章一郎)

 

     委員会の2回目と3回目での変化ということかと思いますけれども,今回まずシミュレーションをお示ししたときに,これはその前後も含めてですけれども,これまで交通局がどのような取組をしてきたのか,今回の状況がどうか,先ほどの都市特性というようなこともお示しをしております。その中で,やはり経費節減というのはかなりこれまでもしてきたし,また,前回のビジョン,計画の中でやってきたことと,改革策というのもこの委員会の中でお示しをしてきたかと思います。
     その意味で言いますと,コロナ前までに交通局として相当のコスト削減策を,これは職員の賃金改定も含めてですけれども,実施してきており,また,令和2年度,3年度,最大限,追加でのコスト削減も行っております。ただ,それでもコスト削減,前回計画時ほどの削減は難しいという風に考えております。
     また,今後も当然徹底した経費削減はもとより,国への支援要望も含めて,あらゆる経営努力を尽くしていくんですけれども,さはさりながら,今度,市会あるいは市民の皆様に,これからこの市営地下鉄あるいは市バスというのがどういう風に推移していくのか,この将来経営が大丈夫なのかという御不安の声が多々あることも確かであります。
     その意味で,こういった方策であれば市民の足というのを次の世代にわたって維持していきますという姿を一定お示しするということも,これは大切であろうと,そういう考えの下で,今回案を示させていただいたものであります。
    ◆委員(こうち大輔)

 
 

    ということは,まだ具体的なシミュレーションの最中であって,決定ではないということでよろしかったでしょうか。
    ◎副市長(鈴木章一郎)

 

     はい。これはパブリックコメントもさせていただくものでありますし,何より,この案,運賃改定ということに際しましては,市会での御議決も含めて,様々な国の機関への相談といったことも必要になってまいります。そういったプロセスを経て決まっていくもの。何よりもまず,市民の皆様との対話,議論が必要になるということでありますので,今の時点で決定ということではございません。
    ◆委員(こうち大輔)

 

     国の認可の手続ももちろんありますし,仮に改定するとしても,計画の中では令和6年以降という風なことも書かれておりますけれども,その間に独自の改革,そして,観光客の戻りであるとか国からの支援に変化があった場合,前回の経営健全化計画があったときには,最終的には運賃を改定しないということになったわけですけれども,そういった可能性があるのか,若しくは,料金の改定運賃の改定幅についてもう少し,今出ている案よりも低く抑えられたりとか,そういったような可能性はあるのかお聞きしたいと思います。
    ◎副市長(鈴木章一郎)

 

     今後の見通しでありますけれども,今回,ビジョンの検討委員会についてお示しをしておりますが,我々としては,あらゆる観点から考え得る経費の削減策あるいは収入増加策というのを,これは運賃改定だけではなしにお示しをしているわけでありますけども,そうは言いながら,このままの運賃水準ということで言いますと,安定経営と言うにはなお程遠くて,将来にわたってこれを維持していくことがどうなのかというところに大変大きな疑問に思ってございます。
     当然今後も全ての努力を尽くしていくわけですけれども,先ほどのとおり,経費削減にはどうしても限りがあるという面もございます。また,前回の計画というところで言いますと,インバウンドを含めて,非常に観光を含めたお客様が急に増加したということもございます。ただ,今回見込んで,このビジョンの中でお示しをしておりますとおり,なかなかインバウンドの回復と言っても,前回どおりがどこまで回復してくるのか,あるいは,通勤通学のお客様というのも,そのまま新しい生活様式等々の導入もございますので,どこまで元どおり回復するのかというところには,やはりどうしても厳しめの見通しを持っておかざるを得ないかなという風に思っております。
     その意味で,現時点では,仮定であっても,運賃改定の改定幅の抑制ということについて,大変恐縮ながら,語れる状況ではないのかなという風には思っております。そういったことで,客観的な状況としては申し上げたとおりではありますけれども,ただ,あくまで我々の姿勢としては,圧縮できるものはしてまいりたいという思いは持ってございますけども,客観的な状況というのは今申し上げたとおりだということで御理解をいただきたいと思います。
    ◆委員(こうち大輔)

 

     今回ははっきりとコロナの影響によって経営が非常に厳しくなっているということであります。これは分科会でも,他の委員からもそういった質疑があったりとか,私も以前質疑をしたことがあるんですけれども,例えば期間限定的に運賃改定をする考え,これはもちろん国との協議というのはすごい時間も掛かりますから,上げたり下げたりということはなかなか難しいということは承知なんですけれども,そういったことを一つの可能性として含めたうえで国と協議する,考えていくというその意思はありますでしょうか。
    ◎副市長(鈴木章一郎)

 
 

    運賃改定の額について国からの認可をいただくときなんですけれども,いわゆる総括原価主義という考え方が採られてございます。これは事業の運営に必要な経費を賄える収入となる運賃に設定をするようにということが求められているものでありますので,あらかじめ想定以上のお客様の回復だったりとか,例えばどこからか補助的な収入があったりとか,そういったことを見越した協議というのは,総括原価主義の下では少し難しいかという風には思っております。
    ◆委員(こうち大輔)

 
 

    それから,シミュレーションの方では,令和6年に健全化団体から高速鉄道の方は脱却予定であると。それにもかかわらず,運賃改定の予定というのは,もちろん手続上時間が掛かるということもあるんでしょうが,令和6年から運賃改定の計画となっております。
     この経営状況,健全化団体を脱却したにもかかわらず運賃改定がされて,値上げされるというのは,市民からすると非常に一見分かりにくい状況となるという風に思います。もちろん累積資金不足というのがあって,そういったことがあるので,料金値上げという風になるということだと思うんですけれども,なかなか市民理解が得られるのか,難しいところだと思うんですけれども,そういったところはどのような理解を得る説明をしていくんでしょうか。聞いておきたいと思います。
    ◎副市長(鈴木章一郎)

 
 

    これは今,委員から御指摘をいただいたような構造というのをしっかりあらゆるチャネルで市民の皆さんにお伝えをしていくということかと思います。
     改めて申しますと,このビジョン検討委員会でお示しした,地下鉄で言えば目標は,これは御指摘いただいた経営健全化団体から脱却するということ,それから,累積資金不足,これの将来最大値を900億円以下に抑制をするということでありますけども,仮に経営健全化団体から脱却できたとしても,運転資金の調達という意味で,累積資金不足の抑制というのはなお残る課題であります。ここのところをきちっと長期にわたって安定的にさばいていくためには,健全化団体から脱却しただけではなかなか立ち行かないというところもございます。
     ただ,これが,御指摘のように,どういう風に市民の皆様に御理解をいただくのか,それが料金との関係でどうなのかというところは非常に複雑な要素でもございますので,我々としても説明手法はきちっと工夫をして,説明を尽くしてまいりたいと考えております。
    ◆委員(こうち大輔)

 
 

    どちらにしても,運賃改定に至るまでの順序というのは間違えてはならないという風に思っております。様々なできる方法は全てやっていただいて,最終的に,それでも立ち行かなくなるんだったら料金改定ということにしていただきたいと,そこの順序を間違えることなく進めていただきたいということを強く要望しておきたいという風に思います。
     それから,時間もないんですけれども,敬老乗車証制度について少しお聞きしたいという風に思います。
     敬老乗車証制度については,今決算でも約50億円の公費が掛かっておりますけれども,我々も現在の京都市財政を考えれば見直しが必要だという風に思っておりますし,独自の提案もさせていただきました。
     そして,今回,京都市案の方では,敬老乗車証制度の改定について,最終的に交付年齢というのが70歳から75歳に引き上げられるというような案であります。現在の70歳から74歳までの交付者数と全体に占める割合というのが,これは令和2年10月末ですけれども35.3パーセントということであります。
     この70歳から74歳の方におけるこの目的,制度の趣旨というのが,社会参加であったりとか,活動であったりとか,健康促進とか,そういった側面があると思うんですけれども,市長は,70歳から74歳の方におけるそういった社会参加活動についてはどのように思っておられるのか。元々の趣旨に照らし合わせたときに,どのようにその辺りを思っておられるのか。また,年齢引上げによりまして,正規運賃にその方々はなるんですけれども,そのことによる影響はどのように考えているかということをお聞きしたいと思います。
    ◎副市長(吉田良比呂)

 

     今回,敬老乗車証につきましては,段階的で,10年間を掛けて段階的に70歳から75歳ということで対象をさせていただきます。
     まずは,75歳ということでの設定をしたということをまず説明させていただきますと,一つには,75歳以上の後期高齢者医療が創設をされたということですとか,それとか,75歳以上に,運転免許の場合に認知症の検査,機能検査が義務付けられた。それとか,75歳以上の方の日本老年学会ですとか日本老年医学会からの提言等,そういったものも,そういったことも含めて,そして,今の現状の中で,かつては定年年齢が55歳であったものが,現在では65歳以上の,65歳の雇用の確保が義務化をされましたけども,70歳までは実際雇用の促進が義務努力化されているというようなこともございます。そういったことから,今の交付を受けておられる方の多くが75歳以上の方であるという風に考えているところでございます。
     実際70歳から74歳の方は,段階的には引き上げてはいきますけども,到達するまでは実際の定額の料金を払っていただくという形になりますけども,今の現状を見ますと,75歳までの方でも,活動をかなり活発にされてきている,お仕事も持ち,また,就労をされている方もあるのではないかなという風に思っているところでございます。定額の料金を払っていただきますけども,この敬老乗車証以外の生きがい対策づくりということを行ってきておりますので,そういったサービスの提供もしながら,社会参加の促進については進めてまいりたいという風には考えております。
    ◆委員(こうち大輔)

 

     70歳から74歳は,先ほど35.3パーセントという風に申しましたけれども,これは70歳から90歳以降までを含めた敬老乗車証制度を利用されている方々,交付者の構成からすると一番多い比率になっている年齢層のところです。75歳から79歳が29.8パーセント,80歳から84歳が21.3パーセント,85歳が89歳10.9パーセントという風になっておりますので,一番影響が出る部分であります。正にここの年齢層というのが一番敬老という意味で,これから健康促進であったりとか,健康寿命であったりとか,活動であったりとか,そういったところの趣旨を一番果たすについては重要な年齢の層でないかなという風に我々は思っておりますので,その辺り,今議会で改正案が出ておりますので,更に議論をさせていただきたいという風に思っておりますので,よろしくお願いいたします。

 終わります。