令和4年2月市会本会議代表質疑:こうち大輔

2022年7月8日  
    1 職員の人件費削減について
    2 京都市が掲げてきた「子育て環境日本一」について
    3 経営の視点・特性にあった公園の運営について
    4 若い世帯も手の届きやすい既存住宅の流通促進について
    こうち大輔議員 右京区選出のこうち大輔です。日本維新の会京都市会議員団を代表し,久保田正紀議員
    と共に質疑を行います。
    質疑に先立ちまして2点申し上げます。
    一つ目に,ロシア軍によるウクライナへの侵攻につきまして,力による現状変更はあってはならないことであり,私たち京都市の姉妹都市であるキエフ市民,ウクライナ国民を傷つけることを許してはなりません。我々日本維新の会京都市会議員団はその思いを共有し,微力ではありますが自分たちにできることを実行してまいる所存です。
    二つ目に,この間の新型コロナウイルス感染症によってお亡くなりになられた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに,闘病を続けておられる皆様の一日も早い御快復をお祈り申し上げます。また,この厳しいコロナ禍において,市民の命や生活を守るために献身いただいている全ての皆様に対しまして心より敬意と感謝を申し上げます。ありがとうございます。
    それでは質疑に移ります。令和4年度予算案は,昨年8月に行財政改革計画が策定されてから初めての予算案であります。市長は予算編成に当たり,コロナ禍で厳しい状況にある市民の皆様,地域企業,中小企業等の皆様を守り抜く。同時に,財政危機を乗り越え明るい未来を切り開く。この両立を図り,京都の今と未来に責任を果たすため,全庁一丸となって予算編成に当たりましたとおっしゃいました。私は,市長が言われ
    る今と未来に責任を果たすという観点から質問をいたします。
    まずは,職員の人件費削減についてです。先ほど他の議員からも同様の質疑がありましたが,我々にとっても非常に大事なことですので質疑をいたします。来年度の一般会計予算においては,総額9,203億円のうち人件費として1,606億1,400万円が計上されており,歳出予算全体の17.5パーセントになります。その割合は政令市20市で見ると,上から5番目の位置になります。また,市民1人当たりの人件費としては上から6番目の位置です。京都市行財政改革計画において,今年度から令和7年度までの5年間で人件費を215億円削減
    する計画で,そのうち集中改革計画期間と位置付けられている今年度から3年間で職位に応じて2.5パーセントから6パーセントの幅で給与カットされており,その間の職員の給与カット総額として50億円が掲げられ
    ています。しかしながら,昨年11月市会においても議論されましたが,総額50億円のうち24億円が人事委員会勧告によるもの,つまり,民間給与との比較において民間給与水準が引き下がっているから,制度として引き下げられたものになっています。これでは,改革による給与カットとは言えず,実質改革によって削減した額は50億円から24億円を差し引いた26億円になっていることを改めて申し上げます。少なくとも,人事委員会勧告による引下げについては,行財政改革で当初計画された50億円には含まず,純粋に改革としての給与カットを行うべきです。
    また,給与カットの期間は令和5年度までの計画ですが,学童クラブの利用料引上げや市施設の料金引上げ,敬老乗車証の負担料引上げが来年度始まります。また,今後様々な市民サービスに影響が出ることが想定される中,市民負担は残して給与カットは早々に終了することが市民の理解を得られるとは思いません。
    今と未来に責任を果たす内容になっているでしょうか。行財政改革計画における職員給与カットの考え方の見直しと期間の再考を求めますがいかがですか,お答えください。
    次に,市長が掲げてきた子育て環境日本一についてです。まず,今回の京都市はぐくみ局長収賄疑い逮捕につきまして一言申し上げます。現在,事の真偽につきましては警察の範ちゅうでありますので,市長もおっしゃっているとおり捜査への全面協力を求めるものでありますが,京都市の保育行政への信頼が揺らいでいることは確かであると思います。そして,市長がこれまで掲げてきた子育て環境日本一に対しての信頼が揺らいでいると私は思います。行財政改革計画において掲げていた保育料の値上げについては,4月の改定は見送られると方針を明らかにされましたが,当初は値上げの検討が行われていました。市長の看板政策の一つ,子育て環境日本一があるにもかかわらず,その方針を掲げ二転三転されています。子育て世代の市民の皆様はどう思われるでしょうか。私は今回見送られたことに関しては賛成ですし,今後の検討に関しても慎重に考えるべきだと思います。京都市が財政難によりその看板を下ろしてしまうのか。若い世代は見られていると思います。その結果が現在の京都市の子育て世代人口の減少と無関係だとは思えません。昨年10月の住民基本台帳によると,25歳から44歳は32万930人で前年同月比8,781人の減になっています。先般の議会
    におきまして,我々は学童クラブの利用料引上げに反対いたしました。それは,未来のために投資すべきと考えているからです。今回の2月市会の広報ポスターには,子育て環境日本一,どうやって守っていくのとの見出しがありますが,今と未来に責任を果たすと言われる門川市長の子供予算と子育て環境日本一に対する考えを改めて問います。お答えください。また,子育て環境の一つとも言える中学校全員給食の実施についてですが,これまで我が会派から何度も提案し質問してまいりましたが,先般2月1日の衆議院予算委員会にて,我が党の堀場さち子衆議院議員が末松文部科学大臣に対し,京都市など一部の自治体で中学校完全給食を実施していないところがあることについての考えをお聞きしました。その回答は,地域差が少し見られるものの学校給食法があるので,学校給食については限りなく100パーセントが目標ですとのことでした。また,文部科学省としては,様々な機会を
    通し,学校給食の意義を周知することにより実施率の向上に向けて理解を求めてまいりたい。食育の観点からも必要と認識をしているとの答弁をいただきました。この末松文部科学大臣の答弁について,門川市長はどのように思われお考えになられますか,お答えください。
    次の質問に移ります。公園は,都市の魅力,活力,憩いを生み出す貴重な空間であり,現在のコロナ禍においてその価値はますます高まっています。一方で,市内にある公園の多くが老朽化しており,厳しい財政状況や将来的に人口減少する社会情勢を見据える中で,このままでは公園の維持管理が立ち行かなくなる危惧もあるかと思われます。そのことは他のインフラや公共施設などを見ても明らかです。現在の京都市営の
    公園は938箇所あり,その面積は602万6,586平方メートルあります。その面積は東京ドーム約128個分になり
    ます。
    そして,来年度予算においては公園維持管理に約12億円が計上されています。京都市において,例えば梅小路公園のようにカフェやレストラン,にぎわい施設を整備し,使用料収入等を得ることにより,公園の維持管理経費の一部を賄える公園もあり,民間企業の知恵や活力を借りて創意工夫ができれば,公園の魅力がより一層高まるとともに管理コストを引き下げることにもつながります。しかしながら,そういったことができる公園は非常に限られています。
    また,一口に公園といっても,それぞれの立地や規模,周辺状況等によって求められる役割は異なります。例えば,今年度から実施している公民連携公園利活用トライアル事業は,民間企業や市民の皆様の様々
    なアイデアを取り入れて公園の利活用に実験的に取り組むことができ,それぞれの公園が持つ可能性を広げる有効な方策だと思われます。また,実施状況をお聞きしますと何より楽しさを感じます。都市に楽しさは何より必要だと思います。このように公園の在り方は過渡期を迎えており,経営の視点・公園ごとの特性にあった活用・必要性等の精査がより一層重要であります。そこで,市長に質問をいたします。先に例を出しました梅小路公園など収益や経済波及効果を見込める公園については,公園単体で運営ができるように明確な目標を掲げ,今後の運営に当たるべきだと考えます。また,公民連携公園利活用トライアル事業については,公園の可能性を今後より一層見極めていくため
    に,対象公園を更に拡大し,来年度中にも追加できるような体制を考えていくべきと思います。また,今後の公園の指定管理の在り方についてですが,一つの公園であれば考えられることも限られますが,幾つかの複数の公園を同時に指定管理にすることによって,その地域ごとの特性をいかしながらスケールメリットを持って事業を考えることが可能になると思います。そのような新しい指定管理の在り方も考えていただきたいと思いますがいかがでしょうか。そして,公園を活用してどういったことができるのかを市民の方がまだ
    まだ知らないと感じます。公園の可能性を更に広げるために,市民の方へのより一層の周知が必要だと考えますがいかがですか,お答えください。
    次の質問に移ります。少子高齢化や流出による人口の減少は,全国共通の認識であり喫緊の課題であります。20ある政令指定都市のうち,昨年度における京都市の人口増減率はマイナス0.64パーセントと最下位,15歳以上64歳未満の生産年齢人口増減率ではマイナス0.84パーセントと17位であり,いずれも本市の人口状況を如実に表しております。
    そのうちの一つの原因と考えられますここ10年で2倍前後に高騰している地価により,印象付き始めている若い世帯が住みにくいまちを少しでも払拭するべく,若い世帯も手の届きやすい既存住宅の流通促進につ
    いてお伺いします。来年度の新規事業として若者・子育て世帯の移住・定住促進事業に2,190万円の予算が組まれており,その中で路地等に面する既存住宅の改修,建替え及び流通促進事業があります。新築物件の受け皿として路地の中の空き家を活用すべく,金融・不動産業界などとの連携を図り,話合いの場を今後設けるとされています。そこでの発展的な内容をいかに具体的施策として実行していけるかが大きな課題になると考えます。
    また,その中でも再建築不可物件は避けられない案件ではないでしょうか。建築基準法上の接道義務を果たしていない土地に建つ物件は,リフォームは可能ですが一度更地に戻すと再度の建築が原則不可能であり,再建築不可物件とされます。京都市内には1.8メートル未満の細街路が市内およそ165キロにわたり約3,400本あり,仮に路地1本あたり3軒の建物があるとすると,それだけでも1万件以上の再建築不可物件があると想定されます。
    そこで,市長に質問いたします。まず,既存物件の流通促進策に力を入れることが,若い世帯の定住に今後より一層必要と考えますが,専門家との話合いや連携により見込んでいる具体的な目標値や展望はどのようにお考えでしょうか。くわえて,規制誘導策の活用件数の増加を目指すべきと考えますがいかがでしょう
    か。そして更なる広い周知・利用促進が必要と考えますがいかがでしょうか。今後の目標や更なる周知方法など具体的にお教えください。
    以上で私からの質疑を終わります。御清聴ありがとうございました。
    市長(門川大作)こうち大輔議員の御質問にお答えいたします。
    子育て支援施策についてでございます。子育て支援につきましては市政の最重要施策の一つとして一貫して取り組んでまいりました。この点については今もゆるぎなく同じ思いであります。保育所改定につきましては令和4年度は実施しないことといたしました。この判断につきましては,行財政改革計画における方針に基づき子育て支援の観点や依然厳しい経済情勢など総合的に勘案したうえでの決定でございます。今般の行財政改革においては,これまで守り続けてきた京都の子育て支援の理念をいかし,守るべきものは守り,
    改革すべきは改革していこうとしており,民間保育園等への人件費補助につきましては,全国水準を大きく上回る保育士の現行の給与水準,更に行き届いた保育士の配置基準を全体として維持・充実しつつ透明性の高い制度へと再構築してまいります。行財政改革の着実な達成に全力を挙げることと合わせまして,妊娠前から子供・若者までの切れ目のない支援を推進し,京都に住み,働き,子育てすることが幸せと希望を感
    じ,暮らし続けたいと思える京都のまちを更に充実させてまいります。また,京都の持つ魅力を未来へとしっかりと引き継げるよう力強く取り組んでまいります。
    以下,副市長及び関係理事者が御答弁申し上げます。
    副市長(岡田憲和)職員の給与についてでございます。令和3年4月から実施している最大6パーセントの給与カットは,危機的な財政状況にあっても災害や新型コロナなど不測の事態に際して市民の皆様の命と暮らしを守る財源を早期かつ確実に捻出することを目的として,臨時的・特例的に実施しているものであります。今回の給与カットにつきましては,人事委員会勧告による給与改定分も含め総額50億円を基金に積み立てることとしており,このことは昨年2月市会での条例提案時にも御説明したうえで可決いただいておりま
    す。今後は,昨年11月市会で可決いただいた内容を基に来年度も給与カットを実施し,令和4年度内に目標額を基金に積み立てる予定としております。
    一方で,人件費の適正化につきましては,徹底した事業見直しや効率化等による550人の職員数の削減,徹底的な働き方改革による時間外勤務の2割縮減と行財政改革計画に掲げる取組を着実に推進し,令和7年度までの5年間で総額215億円以上削減するとともに,計画期間終了後の令和8年度以降も改革を継続することで,令和15年度までには市民1人当たりの人件費を他都市平均以下に抑制してまいります。以上でございます。
    副市長(鈴木章一郎)私から2点答弁申し上げます。
    まず,公園の利活用についてでございます。公園は子供からお年寄りまで幅広い世代の方々が利用される憩いと潤いの場であるとともに,地域コミュニティー活性化の拠点やにぎわいの創出の場として更なる利活用が期待されております。本市では,これまでから梅小路公園等におきまして指定管理者制度を導入してきたほか,大宮交通公園でパークPFIによる再整備を行うなど民間活力を積極的に活用してまいりました。
    令和5年度からは,円山公園や東本願寺前市民緑地へ指定管理者制度を拡充することとしており,今後も地域の様々な課題解決や活性化に向けて活用するとともに,収益が見込める公園を中心に地域企業の活躍も念頭に置きつつ民間活力をいかした手法,枠組みについて検討してまいります。
    さらに今年度から実施している公民連携・公園利活用トライアル事業においては,民間事業者の創意工夫によりバーベキューやアート展示など地域と連携した多彩な取組が展開され,多くの皆様から好評をいただいております。令和4年度は対象公園の拡大を図るとともに,こうした取組を積極的にPRし,さらに多くの市民の皆様に貴重な都市空間である公園の魅力を感じていただけるよう取り組んでまいります。
    続きまして,住宅の流通促進についてでございます。本市では,都市の成長戦略に若者・子育て世帯の移住や定住を実現する施策を掲げ,これらの世帯が魅力に感じ選択できる多様な住まいの供給を促進することとしています。住宅マスタープランでは,中古住宅の売買件数を年3,000件以上とする等の目標を掲げ,空き家や中古マンションなど既存住宅の活用・流通促進,路地空間の再生,地域の魅力等住宅や住環境に関連する情報の発信強化を総合的に進めることとしています。特に市内に約2,650箇所ある幅員1.8メートル以上
    4メートル未満の袋路には,必ずしも路地全体の合意形成を経ずとも改修や建替え等が可能な物件も相当数ございます。来年度専門家と連携し,これらの円滑な流通のための手続等を整理したうえで,これまでの防災まちづくりで構築した地域や専門家とのネットワークも活用し,きめ細やかに周知啓発し有効活用を働き掛けてまいります。
    一方で,1.8メートル未満の路地にある再建築不可物件につきましては,建物の安全性や地域の環境を高めつつ建物の更新が図れるよう,地域の特性等に応じて建築基準法に基づく制度の更なる柔軟な運用に取り組み,一つでも多くの成功事例を生み出してまいります。これらの取組により若者・子育て世帯の居住ニーズに応じた住宅の供給につなげてまいります。以上でございます。
    教育長(稲田新吾)中学校給食についてであります。本市では学識経験者,PTA,学校関係者等が議論を尽くし,平成12年度から学校給食か家庭からの弁当持参かを全ての生徒,保護者が自由に選べる完全自由選択制を導入し,学校給食法に合致したものと認められております。また,生活保護世帯と就学援助世帯の給食費は無償とするなど生徒一人一人の実情に応じた制度として学校現場で定着しております。御指摘の文部科学大臣答弁における完全給食の定義は法令の定めのとおり,パンまたは米飯とミルクとおかずの三つがそろった給食ということであり,その実施率は喫食生徒の割合ではなく実施校数の割合の答弁であったと文部科学省に確認をしております。
    国の第3次食育推進基本計画において,中学校の完全給食の目標値が90パーセント以上となっていた中,本市では併設する高校の食堂が利用可能な西京高校附属中学校を除き,全ての中学校でこの完全給食を実施しており,京都市は中学校完全給食を実施していないとの御指摘は明らかな事実誤認であります。もとより給食の役割や食育の推進は大変重要であり,今後とも令和元年度の実態調査を踏まえ,魅力的な献立の充実,スマートフォン等から1週間単位や卒業までの一括申込ができる給食予約システムの活用など更なる利用拡大を図りながら,引き続き現在の選択制の中学校給食を一層の充実及び学校・家庭での食育を推進してまいります。以上でございます。