令和4年2月市会本会議代表質疑:久保田正紀

2022年7月8日  
    1 新型コロナウイルス感染症について
    (1)本市のこれまでの対策・対応についての検証と総括について
    (2)保健所の業務軽減に繋がる取組みについて
    (3)5歳から11歳の子供たちへのワクチン接種について
    2 DXを活用した障がい者施策の推進について
    3 真のワーク・ライフ・バランスの実践と女性活躍社会の実現について
    4 伏見区の地元要望について
    (1) 伏見港を起点とした伏見区のまちづくりの促進について【要望】
    (2) 藤ノ森小学校の通学路及び墨染街道の通行の安全確保について【要望】
    久保田正紀議員 伏見区選出の久保田正紀です。日本維新の会京都市会議員団を代表して,こうち大輔議員と共に質問させていただきます。
    質問に先立ちまして,この度の新型コロナウイルス感染症においてお亡くなりになられた方々に心から哀悼の意を表するとともに,今なお治療中の方,後遺症に苦しまれている方々の一日も早い御回復を祈念をいたします。また,危険と隣り合わせで懸命に御対応いただいている医療従事者の方々をはじめ,御対応いただいている全ての皆様に心より感謝を申し上げ,質問に入らせていただきます。
    まず初めに,新型コロナウイルス感染症関連についての御質問をさせていただきます。令和2年1月30日に初めて市内での陽性者が確認されてから2年1箇月が経過をいたしました。今年に入り,新型コロナウイルスオミクロン株のまん延,いわゆる第6波が到来し,これまでとは比べようもないほどの感染者急増とともに,教育現場や保健所などをはじめ,多くの所でこれまで以上の影響が出ております。これまでの本市の様々な感染防止対策や保健所体制の体制強化など対策を講じてきた効果については評価をしております。現在は感染力がより高いと言われている新たな変異株ステルスオミクロン株についても取り沙汰されております。更なる対策強化も考えていく必要がある反面,経済効果などを踏まえた出口を見据えた取組も進めていかなければならないとも考えております。そのためにも,まずは,これまでの対応についての振返りをする必要があるのではないかと感じております。これまでの新型コロナウイルス感染症に対しての本市の対策・対応についての検証と総括を求めますが,市長いかがでしょうか。また,2月18日から京都市新型コロナ陽性者臨時フォローアップセンターを開設するなど,更なる陽性者対応の体制強化に努めていただいておりますが,あわせて保健所の業務軽減を考えていく必要性を感じております。その対策として,例えば感染者等情報把握管理支援システムのハーシスの入力を医療機関に対応い
    ただくことを義務化,もしくは更に強く依頼するように検討することなどはいかがでしょうか。御見解をお伺いいたします。
    また,日本維新の会として,1月13日に新型コロナウイルス感染症対策に関する提言第10弾を後藤厚生労働大臣に提出をいたしました。その中において,新たにワクチン接種が開始される5歳から11歳の新型コロナワクチン接種の努力義務規定の適用除外を検討するように求め,その後,国の方では5歳から11歳の新型コロナワクチン接種の努力義務規定を適用除外するとの発表をされました。本市の担当部署に最近の陽性者について確認をすると,若い世代の発生届における重症の届出はほぼないとのことでした。この点からも,特に子供へのワクチン接種については先行する成人への接種より丁寧に実施されることが必要であると考えております。もちろん大前提としてワクチン接種は発症予防や重症化予防効果など接種をすることに大きな意味があることは言うまでもありません。ただ,重症化がほぼ見られない5歳から11歳の子供たちがワクチン接種をするに当たっては,メリット,デメリットを保護者や子供が十分に理解できるなどの説明の機会や資料の準備をしていただく必要があると考えております。さらには,接種前,接種実施時,接種後のきめ細かいフォローアップ体制の構築をする。また,ワクチン接種を希望しない子供と保護者に対しては,差別などの特別扱いをされないよう十分な配慮をすることを求めます。以上のことを踏まえ,5歳から11歳の子供たちへのワクチン接種について本市のお考えをお示しください。
    また,感染拡大により教育現場で学級閉鎖など児童に大きな影響が出ております。学習機会の確保については,各学校の状況に応じて対応できる内容で補填をされていることは確認しておりますが,具体的な対応内容が学校ごとに違いがあることに課題を感じております。平等な学習機会の確保について直接の補講時間を確保するなど共通の取組指針を定めていただくことを要望いたします。次に,デジタルトランスフォーメーション,DXを活用した障害者施策の推進についてお伺いをいたしま
    す。昨年4月に,デジタル化戦略室及び情報化推進室,標準化企画担当を設置するなど体制を整備され,来月で1年を迎えることになります。今年の1月には京都市DX推進のための基本方針を策定され,その中で三つのDXの目指す姿を示されたところであります。その目指す姿の実現に向けた重点事項の一つである暮らし・まちのDXの中には福祉への取組の記載もありますが,私としては初めての代表質問をさせていただいたときから,障害者施策を取り上げさせていただいたように,一貫して障害者施策を推進することを求めて
    まいりました。そのうえで,今後更なる少子高齢化が進んでいく中において,福祉の現場,特に障害者施策のDXの活用は必要不可欠なものになっていくと感じており,様々なデジタル技術の活用を積極的に検討していくべきであることを指摘をしておきます。
    その中で,今日は一例を紹介させていただきたいと思います。(パネルを示す)こちらは,スマートシティの先進都市であるバルセロナ発祥のナビレンスというAI標識と言われるデジタル技術であり,こちらは日本発祥の点字ブロックを基にスペインで開発されたものになります。点字ブロックは視覚障害者の単独歩行に大きな進展をもたらしましたが,点字ブロックだけでは自分が行きたい場所がどちらなのかを知ることができません。その課題を解決すべく研究を開始し,10年の開発期間を経て誕生をいたしました。専用のア
    プリで読み取ることができ,行き先の案内をしてくれるものになります。社会には障害や困難なこと,数多くのバリアが存在します。階段や段差,柱などの構造物だけではなく,
    分かりにくい表記の標識や社会の理解不足もバリアになり得ます。平成28年4月に障害者差別解消法が制定され,障害のある方への合理的配慮がより求められるようになりました。障害者施策のより一層の推進のためにはDXの活用は必要不可欠であると言えます。DXを更に活用して障害者施策を推進し,誰一人取り残さない,人に優しいデジタル社会の形成を本気で進めていただきたいと思いますが,市長のお考えをお伺いいたします。
    次に,本市の真のワーク・ライフ・バランスの実践と女性活躍社会の実現についてお伺いをいたします。
    昨年9月の決算特別委員会の総括質疑で,男女共同参画計画及び真のワーク・ライフ・バランス推進を質疑したとおり,これまで私は一貫して障害者施策の推進と同時に働き方改革を取り上げてまいりました。この件は,私の議員活動の一つとして取り組んでおりますので改めて質問させていただきたいと思います。働き方改革関連法が改正,順次施行され,仕事と子育ての両立ができる環境が整いつつあり,京都モデルワーク・ライフ・バランス宣言をされた市内企業は1,885社に増えております。京都市のわかもの就職支援センターの京のまち企業訪問ウェブサイトでは,企業が自社の働き方改革を自己診断され,学生や求職者,育児と両立に取り組まれている企業を容易に検索することができます。様々な取組の結果,民間においても男性の育児休業取得率が向上しておりますが,中小企業への働き掛けが何より重要であり,そのためには京都市が率先して取り組み,各企業が先行しされている取組の横展開が必要と考えております。そのうえ副市長から前向きな答弁があったと記憶しております。
    さて,女性の就業率は,女性活躍推進法が成立した平成27年の64.6パーセントから70.6パーセントに増加をいたしました。女性をはじめとした多様な社員の能力を最大限に引き出し,その活躍を支えるダイバーシティ経営を実現することは企業の成長にとって必須です。しかし,働く女性の8割が育児休業を取得する時代でありながら,約5割の女性が出産・育児により離職されていると聞いております。誰もが自らの働き方を選択できる社会の実現を目指して,望めば性別に関わりなく働き続けられる環境を整えることが必要であります。実際に最近,妊娠したことを会社に告げたところ,退職を示唆されるいわゆるマタニティハラスメントに遭われた方から御相談を受けました。子供を産み育てる喜びより前に,目の前の離職による経済的な不安と会社への失望はいかばかりかと察するところであります。令和4年4月からは,中小企業にも新たなハラスメント防止措置が義務化されます。人間らしく生き生きと効率的に働き,同時に育児や介護などの家庭生活も大事にし,地域活動や社会貢献活動が調和することで,人間力が高まり,心豊かな充実した人生を送る考えを提唱される市長にお尋ねをさせていただきたいと思います。今後,どのようにハラスメント対策をはじめ真のワーク・ライフ・バランスの実践を進めていかれるのでしょうか。
    また,コロナ禍で非正規雇用で働く女性の失業,シフト減など経済的困窮だけでなく長引くコロナ禍で先行き不安や人間関係の不安の増加など,複合的な困窮がクローズアップされました。困難や不安を抱える女性への支援として,相談事業,居場所づくり,さらに既存の就業支援につながる取組を行い,より一層の女性の活躍を推進することで,誰もがあらゆる分野で活躍できる社会の実現に向けて取り組むことは有意義な事業だと感じておりますが,私は,こうした京都市の取組が対象となる市民に伝わっていないのではないか,広報,周知についての工夫が不足しているのではないかという点を改めて指摘をさせていただきたいと思います。
    多くの方がスマートフォンで情報を入手されております。去年の9月市会での総括質疑においても,伝える広報ではなく伝わる広報の大切さを申し上げましたが,届ける広報としてプッシュ型の周知に取り組むことの徹底を改めて要望させていただきたいと思います。さらに,拡充された予算は国の地域女性活躍推進交付金を利用し,本市の一般財源の支出を縮減していることは厳しい財政状況からも当然だと評価をいたしますが,京都府においても交付金を活用し,相談事業などに取り組まれております。二重行政とならないよう
    に取り組むべきであると考えておりますが,オール京都でどのように連携をされていくのでしょうか。市長のお考えをお伺いいたします。
    最後に,地元伏見区に関する要望を2点させていただきたいと思います。
    まず一つ目が,伏見港を起点とした伏見区のまちづくりの促進についてであります。全国唯一の内陸河川港湾である伏見港は,京都と大阪を結ぶ河川水運の要衝として大きな役割を果たしてきた歴史ある場所であり,昨年の令和3年4月30日に国土交通省のみなとオアシスに登録をされました。これを契機に伏見区の更なる発展につなぐべく本市が国・府及び民間の交通業者や商店街などの地元事業者と連携をして伏見区の更なるまちづくりの発展をしっかりと進めていっていただけるように要望しておきたいと思います。
    2点目が,藤森小学校の通学路及び墨染街道の通行の安全確保についてであります。藤森小学校周辺においては,道幅や歩道幅の狭さや交通量の多さ,車のスピードなどの危険な課題があり,多くの保護者から通学路の安全性の確保について相談を受けております。また,地域住民の御協力で成り立っている登下校の安全見守りの方々につきましても,様々な課題から人数が減少傾向にある状況であります。子供たちが安心して登下校できる環境整備を関係各所と連携をして取り組んでいただきたいと思います。そして,近隣住民の方々が安心して墨染街道を歩けるように,現状の調査と環境整備の着手について改めて要望させていただきたいと思います。長引くコロナ禍の中において,本当に多くの市民が大変な環境に直面している状況であります。お困りの方々の声を聞きしっかりと向き合い覚悟をもって取り組んでいくことをお誓い申し上げ,私の代表質疑を終わらせていただきたいと思います。御清聴誠にありがとうございました。
    市長(門川大作)久保田正紀議員の御質問にお答えいたします。
    新型コロナウイルス感染症対策についてでございます。新型コロナ対応が既に2年を超え,この間変異するウイルスの性格や感染者数の動向,治療薬やワクチンの導入など刻々と変化する状況に京都市として全庁挙げて迅速かつ臨機応変に対応し,市民の皆様の命と健康を守るために全力で取り組んでまいりました。とりわけ医療を必要としている方に確実に医療につないでいくために,京都府の入院コントロールセンターや医師会,市立病院協会等と緊密に連携し,医療・療養体制を確保してきたところであります。
    また,第6波における保健所機能は,全庁を挙げた職員の応援等により増員を行い562名の体制を確保する
    とともに,訪問看護ステーション等と連携した健康観察業務などを民間の力もお借りして,いかしてオミクロン株の特性を踏まえた高齢者の方等の重症化リスクのある方に重点的に対応しております。さらに,2月18日からは,無症状者や軽症者についても的確に医療につないでいくことを目的に,容態等の変化等の相談をお受けする京都市新型コロナ陽性者臨時フォローアップセンターを新たに設置し,保健所機能の強化を図りました。ハーシスの利用につきましては,既に1月末に医師会や私立病院協会を通じ各医療機関にハーシスを利用した発生届の提出や健康観察等の対応をお願いしており,医療機関と保健所との情報共有を迅速に行ってまいります。
    次に,5歳から11歳までの子供さんへのワクチン接種は,昨年から医師会等としっかりと協議を重ねてきておりますが,接種義務の努力義務がない中,接種の効果や副反応等のリスクを十分に御理解いただいたうえで接種を御判断いただくことが重要であります。このため,国,京都府と連携し正しい情報をお伝えするとともに,日頃から体調や疾患を把握しておられるかかりつけ医等とよく相談することもお勧めしております。接種につきましては3月7日から,まずは特に接種が推奨される基礎疾患を持つお子さんから優先して開始し,3月19日からは170の医療機関に加えまして,市役所に集団接種会場を設けまして希望される方の接種を進めてまいります。
    また,接種の有無による差別やいじめ等が起きないように,引き続き積極的に啓発してまいります。子供さんへの感染が増え関心も高まっている中,保護者の御同意の下に希望される子供さんへの接種が安心・安全かつ円滑に行えるように,医師会,私立病院協会,看護協会等ともしっかりと連携し取り組んでまいります。
    以下,副市長及び関係理事者が御答弁申し上げます。
    副市長(吉田良比呂)真のワーク・ライフ・バランスと女性活躍社会の実現についてであります。希望する全ての方が育児をしながら就業を継続できる社会の実現には,多様で柔軟な働き方が選択できる環境整備や子供を社会全体で支えるという社会の意識改革が必要です。本市では第5次男女共同参画計画の重点分野の一つに真のワークライフバランスの推進を位置付け,国・府・経済団体と連携したオール京都体制で仕事と家庭の両立支援や男女が共に能力を発揮できる労働環境の整備に努めているところでございます。また,令和4年4月から,パワーハラスメント防止措置の義務化が中小企業まで拡大されることを受け,あ
    らゆる機会を通じ情報の周知を行うとともに,相談窓口の案内に努めているところでございます。誰もが安心して働ける労働環境の整備については,とりわけ中小企業における取組の後押しとなるよう経済団体と協力してオール京都で取り組む必要があり,引き続き国や京都府とも連携し,様々な機会を活用して社会全体での機運醸成に努めてまいります。
    次に,不安を抱える女性を対象とした支援について,令和4年度は今年度設置したウィングス京都での相談窓口を引き続き運営するとともに,これまで構築したNPO法人などのプラットフォームを活用した居場所づくりに加え女性の就業支援にも新たに取り組んでまいります。また,情報が伝えるべき方に適切に届くよう,ホームページやSNSなども活用しながら様々な機会で周知を図ってまいります。今後とも国・京都府・経済団体で構成する輝く女性応援京都会議において,各団体の役割を踏まえた連携の下,効果的な取組を引き続き進めてまいります。以上でございます。
    保健福祉局長(三宅英知)障害者施策におけるデジタルトランスフォーメーション,いわゆるDXについてでございます。本市では令和4年1月に,京都市DX推進のための基本方針を定め,デジタル技術や多様なデータを有効に活用し,市民の皆様の生活をあらゆる面でよりよくするというDXの取組を推進しております。障害者施策分野においては,区役所に配置している手話通訳者がタブレット端末を活用し,必要に応じて他区の遠隔手話通訳も行うことで,区役所における手話ニーズに隙間なく効率的に対応しております。
    また,障害者手帳の提示に代えて手帳の内容を証明できるスマートフォンアプリで確認する取組を本市の美術館や動物園等60施設で取り入れるなど,障害のある方の利便性の向上に努めております。さらに,障害福祉サービス事業所に対しては,見守りセンサー等のICT技術の導入,在宅就労を推進するためのテレワーク導入に必要となる費用助成を実施し,介護業務の負担軽減と働きやすい職場環境の整備を進めることで,障害福祉サービスの充実にも取り組んできたところです。
    議員に御紹介いただきましたナビレンスをはじめ様々なアプリが日進月歩の速さで開発されており,それらのデジタル技術を活用することにより,障害のある方の利便性の向上が期待できます。一方で,その活用に当たっては,障害のある方の自立支援や支援者の負担軽減の効果と導入コストを十分考慮していく必要があると考えております。今後ともDX推進の視点もしっかり持って,障害者施策を検討し,障害のある方が利便性,安心安全,豊かさ,快適さを実感できる誰一人取り残さない人に優しいデジタル社会の形成を進めてまいります。以上でございます。