平成28年9月市会本会議代表質問:菅谷浩平

2016年9月30日  

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  1. 「宿泊施設拡充・誘致方針(仮称)」について
    ・6000室の宿泊施設不足の検証
    ・規制強化と規制緩和
  2. 「たばこ・喫煙」について ・路上喫煙対策
    ・庁舎内の全面禁煙
    ・庁舎管理規則

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○議長(津田大三)

 次に,市政一般について,菅谷浩平議員に発言を許します。菅谷議員。

  〔菅谷浩平議員登壇(拍手)〕

◆菅谷浩平議員

 北区選出の菅谷浩平です。日本維新の会・無所属京都市会議員団を代表し,同僚議員のこうち大輔に引き続き,門川市長に対して一般質問をさせていただきます。

 先日,京都市が発表した京都市宿泊施設拡充・誘致方針にもあるとおり,現在,本市は,慢性的な部屋不足であります。昨年,京都市は過去最高の宿泊客数となる1,362万人を受け入れました。特に外国人宿泊客数は,この2年間で180パーセント増となる316万人と急増しています。2020年には,更に外国人宿泊客数が増加する見込みで,少なくとも440万人と,今より100万人以上も増える見通しであります。今回示された方針においても,新たに440万人の外国人宿泊客を受け入れるためには,6,000室の宿泊施設が足りないと試算しています。京都市はこの6,000室の宿泊施設を新たに確保するために,幾つかの方針を今回打ち出されました。

 そこで,この方針について市長にお尋ねいたします。まずは,この6,000という部屋数がきちんと検証が行われている数字なのでしょうか。先日の議員研修会の講師のお話にもあったとおり,人口減少社会が急速に進む我が国においては,日本人観光客数の減少は避けられません。講師の方もいかに外国人観光客を取り込むかを話されていましたが,為替が急激な円高になれば,一気に外国人観光客は減少する可能性があります。また,京都市以外の自治体が増加する外国人観光客の取込みを図ろうと様々な取組を進めています。楽観的な数字だけを基に6,000室ものホテルを建てた結果,市内全体で部屋余りの状態に陥るような危険性をはらんではないのでしょうか。仮に6,000室が必要であったとして,その内訳を市長はどのようにお考えでしょうか。例えば,フランスの旅行情報サイトが昨年,世界15カ国で年齢18歳から65歳までの各国1,000人ずつを対象に,外国人が海外に旅行する際の宿泊施設を選ぶ判断基準について調査をいたしました。これよると,中国を除いて全ての国のほとんどの回答者が休暇で利用するホテルを探す際は,最も手軽なホテルを探すと回答しています。実は,我々日本人や中国人などのアジア人は,ホテルの立地や設備,環境を重視する傾向が強いようですが,欧米人はむしろ宿泊費をかなり意識するようであります。単純に6,000室の宿泊施設を確保するといっても,国によって宿泊費に対する考え方の違いや,観光客によって所得層にばらつきがある以上,ラグジュアリーなホテルばかりに偏らないベストバランスを京都市は考えるべきと思いますが,いかがでしょうか。

 そして最後に,今回出された方針が規制緩和に走り過ぎないように求めておきたいと思います。京都市は,本当に住居専用地域,工業地域,市街化調整区域において京都市が認めた場合に,高級ホテルを建設できるようにしていくのでしょうか。我が会派は,東京都の大田区で行われている特区民泊を今月に入って視察してまいりました。大田区が国に特区制度活用の認定申請をした背景には,京都市同様にホテルの部屋数が足りず,稼働率も9割に達するほどだったと聞いております。宿泊施設の確保に向けては,外国人滞在宿泊施設を行政として認可している大田区でさえ,実は旅館業法にのっとった用途地域の範囲に限定をしています。つまり,元々ホテルなどが建てられる地域にしか新たな施設を認めていません。分かりやすく言うと,大田区の田園調布にはこれまでも,そしてこれからも,ホテルやいわゆる民泊を建てさせないというようにきちんとめり張りを付けています。

 しかしながら,今回京都市が打ち出した方針では,これまでホテルを建てることができなかった地域においても,京都市が許可したホテルに限って認めるとしています。特に住居専用地域など住民が多く暮らす地域の方たちは,自分たちの地域にホテルが建つというこれまで考えもしなかった事態に遭遇していきます。将来,京都市がホテルの建設を認めるか認めないかで,大きな混乱を招くようなことがないとも言い切れません。我々は,市民や事業主の方が暮らしやすく,あるいは商売をしやすくできるような規制緩和は検討していくべきと考えています。ただし,今回のようにホテルの部屋数を確保するための規制緩和であれば,その前に6,000の部屋数が本当に必要なのか,どういったタイプの宿泊施設の需要が見込まれるかといった精査をきちんとしたうえで,規制緩和の手法を取るべきと考えます。京都市は,これまで看板のデザインや大きさを規制するなどの規制強化で,市民に対して相当な負担を求めてきました。それも京都市の景観を良くするためのものであることは一定理解をしますが,いわば観光政策の一環であります。看板規制のように,一方では規制強化で市民に負担を求めておきながら,今回のように,一方では観光のための規制緩和で,これまた市民に負担を求めることのないようにしていただきたいと思います。門川市長の考えをお聞かせください。

 次は,たばこ・喫煙に関する京都市の考え方について質問します。先月,厚生労働省による専門家会合が国に対して,15年ぶりの改訂となる,いわゆるたばこ白書を提出しました。これよると,日本という国の受動喫煙対策が世界に比べて極めて遅れているという点を指摘しています。厚生労働省の発表によれば,この受動喫煙が原因で死亡する人の数は,国内で年間1万5,000人にも上るとのことであります。WHO(世界保険機関)も日本の受動喫煙防止対策は,世界最低レベルとの判定をしています。既に世界49箇国が病院や飲食店など,公共の場を全面禁煙とする内容の法律を施行しています。今回のたばこ白書による提言はかなり踏み込んだものとなっており,日本も屋内施設での100パーセント全面禁煙を目指すべきとしています。

 京都市は,現在,屋外においても路上喫煙防止条例を制定し,市内全域において路上での喫煙をしないように定めています。また禁止区域を定めて1,000円の過料を徴収しています。この路上喫煙対策は,特定地域内で過料を徴収された違反件数のみでありますが,ピーク時の6,000件から2,000件にまで減少しており,一定の効果が見られます。しかし今後,諸外国と同様に屋内施設を100パーセント全面禁煙にするという動きになったときに,屋外で喫煙をする人の数は必ず増えてきます。そうなったときに備えて,行政として新たな路上喫煙対策を講じる必要性が出てくるかもしれません。既に市内でも公共性の高い施設を中心に,100パーセント全面禁煙にしているところは増えてきているようですが,その結果,学校の校門の外に出てたばこを吸う教員の姿や病院の外に出てたばこを吸う人が目に付くようになり,公園や駅周辺でのたばこの吸い殻もいまだになくなっていないため,実際に京都市に苦情の電話があるようにも聞いています。まずは,市長にこの路上喫煙に対する現状についての御認識をお尋ねします。

 次に,受動喫煙対策についてであります。健康増進法第25条は,受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずるよう努力しなければならないと定めています。ただし,この法律はあくまで受動喫煙の防止対策を講ずるための努力義務規定があるにとどまるため,罰則規定はおろか喫煙室を設けることで受動喫煙に対して対策を講じていると判断されています。しかし,今回のたばこ白書の報告,あるいは数々の受動喫煙に関する実験からも明らかになっているとおり,喫煙室を設けることで受動喫煙の危険から完全に他者を保護しているとは言えなくなっています。我々が今いるこの京都市役所も庁舎1階に喫煙室が設けられています。現在,庁舎は市民の皆様も数多く来庁されます。例え,市民の方から遠く離れた場所に喫煙室を設けたからといって,完全に受動喫煙の危害から市民を守れるとは言い切れないはずですし,そもそも市役所内に喫煙室があること自体が,たばこを吸わない職員にとっては決して最良の職場環境とは言えません。まずは,この市役所内の受動喫煙対策が十分に行われていると思うか,市長の御認識をお聞かせください。

 また庁舎内に喫煙室を設置し続ける影響は,受動喫煙による健康被害の観点だけでは,実は論じることができません。昨年の11月には,公務員のたばこ休憩の間に支払われていた給料の年間の総額が推計で約920億円にも上るとの試算が,兵庫県たばこフリー協会から発表されました。調査対象は尼崎市役所と西宮市役所の庁舎内にある喫煙所に出入りした人の人数で,たばこ1本を吸うのに5分,喫煙所への往復の移動時間を5分とそれぞれ仮定した場合に,どれだけの時間給がたばこ休憩に支払われているかを調査したものであります。この調査によれば,尼崎市役所では7,708万2,970円,西宮市役所では5,678万3,520円がたばこ休憩の際に支払われた1年間の時間給とされています。また横浜市でも職員のたばこ休憩が問題として取り上げられ,「市民からは公務員の働きぶりを厳しい目で見られている。職場全体で共通認識を持ってしっかりと進めたい」との見解を横浜市側が表明しています。政令指定都市でも,既に大阪市や神戸市や堺市で職員の勤務時間中の喫煙が禁止されています。受動喫煙防止の観点から,そして市の賃金ロスの見直しの観点からも,勤務時間中の喫煙を禁止し,もって市役所庁舎内の全面禁煙への速やかな変更をすべきと考えますが,市長のお考えをお聞かせください。

 加えて,京都市は現在の市役所庁舎を一部壊すなどして,平成34年には新たな庁舎を整備する計画であります。このほど京都市から広報された新庁舎に係る整備実施方針では,建物の外観や市民スペース,情報公開スペースなどが既に盛り込まれている一方で,職員が働くための各部局の配置などはいまだ決められておりません。2月市会では,建設に関わる業者の選定のための議会の承認議案があるようですが,どこにどんな部屋を配置するかなどに関しては,我々議会の承認が必要となりません。我が会派は現在4名の議員が所属していますが,会派内の喫煙率は50パーセントと,国内の成人男女の喫煙率19パーセントをはるかに超えています。しかしながら,しかしながら我々議員も公に奉仕する公務員であるという自覚を持って,庁舎内での禁煙には全面的に賛成をしてまいります。平成34年の開庁に向けて,市長には思い切って新庁舎内においても全面禁煙の方向性を取ってもらい,喫煙室を設けないよう関係部局に指示をされるよう願います。またあわせて,京都市は政令指定都市20市の中で,唯一庁舎の管理に関する規則が明文化されたものがいまだにない状態であります。京都市役所にはいわゆるこの庁舎管理規則がなく,庁舎の一部で政治的に偏ったポスターが張られていたり,敷地内で政党関係者がビラを配ったりする行為などが散見されます。市役所が市民全体にとって訪れやすい市役所であるためにも,早急に庁舎管理規則を定めるべきと考えます。最後に市長の見解をお聞きして,私からの代表質問とさせていただきます。御静聴,誠にありがとうございました。

  (拍手)

○議長(津田大三)

 門川市長。

  〔門川市長登壇〕

◎市長(門川大作)

 菅谷浩平議員の御質問にお答えいたします。

 宿泊施設の拡充・誘致方針についてでございます。本市では,外国人宿泊客の急増に伴い宿泊施設の増加が追いつかずに,昨年は国内の宿泊観光客が100万人減少する。外国人の方が早くに予約されますから,そして国際会議等も宿泊施設が確保できるかどうか,こういう深刻な状況にあります。したがって,宿泊施設の拡充は,外国人観光客というよりも国内観光客,国際会議の誘致等にとりましても,喫緊の課題であります。国は2020年の外国人旅行者目標を4,000万人に,そしてさらにオリンピック・パラリンピックが終わってから,その10年後に6,000万人と想定されております。それに準じますと,京都市は2020年には630万人,2030年には900数十万人の方が来られると,こういうことが想定されます。それ以外に違法な把握できない民泊に100万人ぐらいが泊まっておられる。こういう推定もあると,いかに正当な宿泊施設が喫緊の課題であるかと,こういうことが御理解いただけると思います。今回の方針案にそうしたことを詳細に記載し,パブリックコメントを今求めているところであります。そうしたことを踏まえまして,京都に集中しない,三大都市圏に集中しない,国の想定どおりほかの所にもどんどん行っていただくということを含めまして,2020年に少なくとも440万人という最低の見込みで設定しており,それのために6,000室が新たに必要であると,こういう数字であります。近隣の東アジア地域では,著しい成長が見込まれているため,2020年以降も訪日外国人が増加するとされています。宿泊施設がないために京都には来られない,こういう事態がますます強まってくる,このように思います。

 宿泊施設は,日本の文化や京都の暮らしを体感できる旅館,京町家,都市格を高めるラグジュアリーなホテル,産業の振興に資するようなシティホテルやビジネスホテル,外国からの教育旅行,様々な形がございます。高級なものだけを求めているのではありません。ただ,質の高いもの,そこには安定した雇用が生まれる,こうした質の高さは確保していきたい,このように思います。多様なタイプ,多様なグレードの宿泊施設の拡充が求められており,そうしたことをしっかりと今度の案にも組み込んでおります。新たに設置する旅館・ホテルの拡充,また誘致総合窓口において,これら多様な宿泊施設の開業を支援し宿泊の質を高めて量の確保を進めてまいります。山間地域を含めた様々な所の開発も考えていきたいと思っております。そして人口の減少の歯止めを掛けようとしております。この考えの下に立地が制限されている住居専用地域や市街化調整区域でもきっちりとしたいいホテルを,また宿泊施設をつくり,雇用の質の向上や伝統産業,文化の振興に資するものとしていきたいと思っています。京都が千年先も世界中の憧れのまちとなるように,そうしたことを考えまして,地域に応じた規制の強化や緩和を行いながら,持続的な都市の発展,都市格の向上を目指し,そのことが全ての市民の豊かさにつながるように全力で取り組んでまいります。

 以下,副市長及び関係理事者が御答弁申し上げます。

○議長(津田大三)

 藤田副市長。

  〔藤田副市長登壇〕

◎副市長(藤田裕之)

 私からは路上喫煙の現状についてでございます。本市では,平成19年6月に京都市路上喫煙等の禁止等に関する条例を施行し,市内全域におきまして,道路や公園等屋外の公共の場所では路上喫煙をしないよう定めてまいりました。この条例に基づきまして,市内3箇所を過料徴収区域に指定し,路上喫煙等監視指導員が巡回し,違反者に対しては1,000円の過料を科すなど,厳正に対処してまいることにより,市内全域での喫煙マナーの向上を図っております。また,これまでから路上喫煙の禁止につきまして立て看板や路面標示,また観光雑誌やフリーペーパー等への啓発記事掲載など様々な取組によりまして市民や観光旅行者,とりわけ近年大幅に増加しております外国人の観光旅行者の皆様に対して,周知,啓発に努めてまいりました。こうした取組の結果,路上喫煙者はこの過料を科せられた違反者も含めまして大きく減少してきております。引き続き様々な場所や機会を捉えまして,市民や観光旅行者の皆様等に対しまして,より効果的な周知,啓発に取り組むことにより,市内全域で路上喫煙はしてはいけないという認識が更に浸透するよう努めてまいります。あわせまして,適切に喫煙場所の設置を進めることによりまして,喫煙者にもルールを守っていただき,吸う人も吸わない人も気持ち良く暮らせる環境づくりについても推進してまいります。以上でございます。

○議長(津田大三)

 田中行財政局長。

  〔田中行財政局長登壇〕

◎行財政局長(田中照人)

 まず,市庁舎内におきます喫煙対策についてでございます。市庁舎におきましては,かつては喫煙可能なエリアを限定する,いわゆる分煙対策を進めておりましたが,その後,平成22年2月の受動喫煙防止対策に関する厚生労働省通知におきまして,官公庁においては,全面禁煙とすることが望ましいとの方向性が示されたことを受けまして,市庁舎内に設けていた8箇所の喫煙室を全て廃止し,中庭北側の喫煙場所以外は全面的に禁煙としたところです。あわせまして,換気設備により喫煙場所から外部にたばこの煙が流れ出ないようにするなど,受動喫煙防止措置を講じているところであります。勤務時間中の喫煙につきましては,市民理解に加えまして,公務能率や職員の健康面への影響等の観点を踏まえ,職務に支障なく,市民からの信頼を損なわないよう,節度をもって行う必要があると認識しております。今後も,国の受動喫煙防止対策の取組などを踏まえながら,新庁舎整備計画の中での在り方を含めまして,市庁舎内の喫煙対策につきまして引き続き検討を行ってまいります。

 次に,庁舎管理規則についてでございます。本市では,市民のために開かれた庁舎を目指し,市庁舎前広場を含め,市民の皆様に気軽に来庁,利用していただけることを基本としております。そのうえで市庁舎の管理につきましては,地方自治法に定められている庁舎管理権に基づき,適正な運用と庁舎の秩序の維持に努めており,庁舎管理上支障のある行為に対しましては,その都度中止するよう指導するなど適切に対処しております。なお,他の政令市におきましては,多くは新庁舎の建設あるいは改築に合わせて,庁舎管理規則を制定されておりますが,本市におきましても,現在進めております新庁舎整備計画により,管理すべき庁舎の範囲が拡大することなどを踏まえまして,これらに合わせて庁舎管理規則の在り方を検討してまいります。以上でございます。