平成28年9月市会決算特別委員会市長総括質疑:宇佐美けんいち

2016年10月18日  

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○委員長(小林正明)

 進行いたします。宇佐美委員。

◆委員(宇佐美けんいち)

 よろしくお願いいたします。

 それでは,まず一つ目に,有害鳥獣対策について質問いたします。

 本市では従前から有害鳥獣対策をしっかりと取り組んでいただいておりまして,今回の決算審議の中で,農作物被害が平成23年では2億3,000万円もあったものが,平成27年度では8,000万円と3分の1近く減少してきた。このことは,私も今,左京区で農作物被害に悩む農家が大勢いらっしゃる,こういった所選出の議員としましては,大変ありがたく思っております。

 しかしながら,一方で,山林の下草や木の根が鹿に根こそぎ食べられてしまい,土壌の流出など,住宅地に隣接する場所での災害につながりかねない危険な状態,これは変わりはございません。住宅地に鹿が群れで出てくる風景も当たり前になりつつあります。

 有害鳥獣対策を一層推進していくには,市民の皆様にその重要性を御理解,御協力いただくことが肝要ですが,その啓発ツールとしまして,京都の山林で捕れたジビエの料理が活用できないか,こういうことを考えております。

 現在,本市では,鹿が有害鳥獣対策としておおむね1,000頭近く捕獲されているんですけれども,捕獲後は,プライベートな消費を除けば山林に埋められています。ミシュランに掲載されている店舗も多い,食の一大消費地である京都市ですから,こういったジビエを料理として市内で活用することができれば,こういった啓発にも大変効果が出てくるのではないのかな,そういう風に考えております。

 ところが,実は,保健所の許可を受けた解体処理施設が京都市内に今ないんですね。それで,市内で捕獲したジビエをお金をもらって有償での販売や食事の提供,これができない。また,解体処理施設,これは全国的に見ても費用が高額なわりに採算が取りづらいということで,また,捕獲後に短時間で解体することがジビエのおいしさに直結すると,そういったことから,設置場所をどうするんだということで,非常に色々と問題が今ありまして,設置が進んでいない,これが現状だと。

 そこで,本日御提案したいのは,移動式の解体処理車です。一応これをジビエ振興に取り組むNPOと長野トヨタ自動車が共同開発,今年度,長野から始まり,鳥取や宮崎,和歌山で実証実験がなされるところです。もちろん保健所のオーケーも出ています。

 内部は解体部分と保冷の部分に分かれているということで,非常にこれ,使い勝手がいい。それと,価格的にも2,000万円までだと。最大のメリットは,鹿を捕った所まで走っていけるというのが,これが一番のメリットだということなんですね。

 私,先日,長野県の実証実験場所を訪問してきました。山の中で解体してきたんだから,慣れればこのスペースで大丈夫だと。夏場など保冷室があったら助かる。また,農家さんがわな猟の資格を取っても,実際に鹿がわなに掛かってしまったら処置に困ると,こういったケースでも,これがあれば農家さんはわなを見といてもらって,連絡があったら車で取りに行ける。こういった役割分担もできるんじゃないのかなということをおっしゃっていただいておりました。

 市長,こういった移動式の解体処理車の研究,また,民間でもしやってみたいと,やってみようという場合には,従来の固定式の施設と同様に京都市の補助を御検討いただきたいなと考えておりますが,いかがでしょうか。

○委員長(小林正明)

 岡田副市長。

◎副市長(岡田憲和)

 有害鳥獣対策,今お話いただきましたけど,このことは京都市,力を入れて,その中でも鹿というのは防除と駆除を並行してやっておりまして,やはり駆除の頭数が増えてきているというのもおっしゃるとおりです。

 かねてからそれを何とか活用できないかという発想がございましたし,今回,京都創生・お宝バンクで提案を募集した際にも,何とか鹿の肉を使えないかという御提案が2件ありました。

 私どももスポット的に,私も試食をしたことがあるんですけれども,これを広くどうやっていくかというところで検討しますと,幾つか難しい点がありまして,一つは,まず,その猟と言うか,捕獲する段階で肉質を傷付けないための技術が要るということをお聞きしています。普通に捕獲をしてしまうと,実際処理したときにはもうほとんど食用不可になっているとかいうことで,歩どまりが非常に悪いというようなこともお聞きをしていますし,食肉の残さ処理,これが産業廃棄物になりますので,その処理の手数料が必要になるとか,それと,やはり販路の開拓ということが非常に大きな課題だと思っております。

 その中で,今回実証実験をされますこの移動式解体処理車なんですけれども,価格は今2,000万円以下になるよという風に御披露いただきましたけども,例えば約1,600万円ぐらいではないかというようなこともお聞きをしています。処理時間が短縮されて,車内で衛生的に解体処理が可能で,1回で5頭まで処理ができて保冷もできるという風にお聞きをしています。

 ただ,そこの部分では確かに大きな改善になりますし,寄与する余地はあると思うんですけれども,先ほど言いましたトータルとして成り立つようなシステム,捕獲の段階での技術,あるいは,これ,一次処理がこの車の中ではできるんですけれども,それをした後の二次処理施設でありますとか,それと,先ほどの歩どまり,この車を使えれば歩どまりも上がるとは思うんですけれども,それを販売ルートに乗せて消費に回って,なおかつそれで採算が取れるというレベルに持っていく,ここが非常にトータルとして考えると難しいなという風に思っています。

 それで,今の御紹介いただきました実証実験ですけども,28年のこの夏8月から30年の3月まで幾つかの地域で実証実験をされますし,まだ始まったところでございますので,少し私どももその成り行きには注目をしたいと考えていますけど,同時にそういったトータルのシステムをどう作るかということが大事だと思っております。

○委員長(小林正明)

 宇佐美委員。

◆委員(宇佐美けんいち)

 ありがとうございます。

 正にこの間始まったばかりですので,ただ,やっぱり色々ジビエも振興していきたい,やっぱり山の保全をしっかりやっていきたい,そういった思いで活動されている市民の皆さん,たくさんいらっしゃいますので,やはりそういったところは全て京都市だけがやるんじゃなくて,そういった皆さんの力を是非活用し,そして,それを京都市が後押しをしていっていただきたい,そういう風に思っておりますので,今後とも是非よろしくお願いいたします。

 次に,中学校の全員給食の実施についてお尋ねをします。

 中学校全員給食実現に向けた保護者の皆さんの切実なお声を受け,民間活力をいかした全国の事例を参考にし,京都市でも小学校と同様の温かくておいしい中学校全員給食の実施をすべきだと我が会派は考えております。

 先日,私の地元で改めて保護者のお声をお伺いしましたら,仕事に家事にと大変な中,全員給食は助かる,他府県から引っ越してきて京都市では全員給食でないことにびっくりした,また,小中一貫校では全員給食があり調理費は京都市の負担だ,選択制においても,給食を選んだ世帯には調理負担分として1食当たり約300円,年間175食として約5万2,500円の実質補助が出ていることへの不公平感など,選択制の見直しを求めるお声を多数頂き,改めて本日質問する次第でございます。

 さて,選択制給食を始めてから15年以上が経過しております。教育委員会が先日作成されました京北地域小中一貫教育校の教育構想素案の中で,特色ある取組として中学校全員給食が挙げられていました。これは全員給食を保護者が求めている,これが今のニーズだと教育委員会が認めているからこそ,こんな資料になっているのではないでしょうか。そうでなければ,今,ミルク給食で全員お弁当を作っているんですから,弁当を作る機会をなくさない選択制を第一に書くはずではないですか。

 働く女性の増加,核家族化の増加の中で学童クラブの登録児童数も年々増加し,保育ニーズも高まって,それに対する子育て政策,充実を図られている市長ですから,こういった保護者の家庭状況の変化,十分御認識されているのかと思っております。

 参考までですが,我が党の吉村が市長を務める大阪市では,市長の公約である温かくておいしい中学校全員給食の全校実施を決定し,市長の任期中に全ての学校で実施する,こういう方針となりました。もちろん小中一貫じゃない既存の中学校で実施をするものでございます。

 さて,予算がない,こういった理由をいつも挙げていらっしゃいますが,そこで質問させていただきます。平成27年度の地方交付税の基準財政需要額に,国は中学校給食費を算入されていますかどうか,お答えください。

○委員長(小林正明)

 藤田副市長。

◎副市長(藤田裕之)

 中学校給食についてでございます。

 本市のこの中学校給食,選択制の給食につきましては,ただ今御指摘ありましたように平成12年に試行されて以来,親御さんが望まれる場合には選択して選んでいただけると。

 そのことについては,今,不公平感という御指摘もございましたけれども,どなたでも希望されれば給食を申し込んでいただける。ただし,内は弁当を持たせたい,あるいは子供の好みに合わせた調理をしたいという親御さんはそういう風な形をしていただいても結構ですという選択制でございます。それぞれの学校で,また,親御さんの御意向を踏まえて調理の内容も充実させておりますけれども,同じような形で取組を進めてきておるということでございます。

 そのうえで,今直接御質問のありました地方交付税の手続でございますけども,いわゆる地方交付税,大前提としては御承知のとおりでございますが,地方交付税というのは,この使途が限定されてない一般財源でありますけれども,この基準財政需要額につきましても,各自治体が合理的な水準で行政を執行したという場合に想定される標準的な金額が全国一律に算定されております。京都市のこの選択制の中学校給食というのは,そういう意味ではその計数にはなじまないものにはなっておりますので,算定されているという今の国の基準財政需要額という中にそういう項目があることは事実でございますけど,それを京都市においてそのまま当てはめられているということでは認識はしておりません。

○委員長(小林正明)

 宇佐美委員。

◆委員(宇佐美けんいち)

 基準財政需要額の中に中学校給食が算入されているといことですね。

 では,具体的に生徒何人分ですか。

○委員長(小林正明)

 藤田副市長。

◎副市長(藤田裕之)

 ちょっと詳細は把握しておりませんけど,3万人程度という風に承知しております。

○委員長(小林正明)

 宇佐美委員。

◆委員(宇佐美けんいち)

 平成27年度においては給食関連経費,生徒数3万90人分が算入されていると,こういうことですよ。市長,3万人分というのは中学生全員なんですよ。このことを今まで議会や審議会で説明されてきましたか。それ,ちょっと教えてください。

○委員長(小林正明)

 藤田副市長。

◎副市長(藤田裕之)

 先ほど申し上げましたように,この地方交付税,そしてまた基準財政需要額というのが制度としてあるということがあったとしても,それが京都市において適用されているかどうかということは別になります。したがって,現在,京都市がやっております中学校給食の制度においては,積算根拠としては成立していても,該当するものがないという認識をしておりますので,具体的にそのことをいわゆる空算用として計算することはしておりません。

 ただ,その場合においても,その前提においても,本市において中学校給食に掛かっております決算額等は7億3,000万円辺りでございますが,今,委員が御指摘になっている計数と仮に仮定した場合に,金額としてほぼ近い金額を私どもは執行しているということでございます。

○委員長(小林正明)

 宇佐美委員。

◆委員(宇佐美けんいち)

 地方交付税が一般財源で地方の裁量だ,それはそうかもしれませんよ。ただ,国は中学校給食を努力義務とはいえ,法律で自治体に義務化をしている。全員分の調理費を地方交付税で算入している。全国のほとんどの市町村で中学校全員給食が実施されているのも,これを知ったら当たり前じゃないですか。なぜ市長,単費で色々されることは結構なんですよ。ただ,子供の給食の経費をほかに使わないで,ちゃんと中学生全員に手当をしていただきたい。そのことを我々は申し上げているんです。

 改めてお伺いします。市長,まずは意向調査してください。学校別で保護者全員に向け,今の選択制のままでいいか,それとも全員給食を希望するか,是非,意向調査を行っていただきたいんです。私自身も地元の中学校でいろんな話を聴いてきます。でも,皆様口々におっしゃるのは,それを我々はどうやって選べるんですか,どうすればいいんですか,そういうお声ばかりなんです。それを受けて私は今日質問しているんです。

 是非,今後,意向調査をまずやっていただきたいんです。時代は変わってきています。15年たっているんです。だからこそ,もう一度ここで市長の御決断をいただきたいんです。3万人分の算入を偏った執行ではなく全員に対してやっていく,このことを御決意を含めて意向調査をしていただくことを今日認めていただきたい,決めていただきたいんですけど,いかがですか。

○委員長(小林正明)

 門川市長。

◎市長(門川大作)

 地方自治というものをあまり御理解いただかずにおっしゃっているんじゃないかなと思います。基準財政需要額というのは,北海道から沖縄まで一般的にどんな行政をするか,それを標準的なもの,全国どこでも一般的にやっているものを足して計算して,そして,それを所得税とかいろんな税金の何割までというその地方交付税の範囲で縮小して配ってはるわけですね。ですから,基準財政需要額に基づく行政をしなさいと言うたら,日本中,北海道から沖縄までほぼ同じ行政を少ない水準でやっていかなければならない。

 我々は,例えば保育所,幼稚園,あるいは子育て支援,子ども医療費,全部基準財政需要額が入っていません。中学校3年生でしっかりとした学力を保障し高校につなごうということで,京都市単独の予算で30人学級をやっています。これだけで六,七億円掛かっております。これもやめた方がいいのか,どっちがいいのか,こういうことを全部,京都市長が予算案を組み,議会で議論していただき,全部オープンにしています。そして,より良い京都のまた未来のためにやっているわけです。

 したがって,基準財政需要額,言葉の魔術のように3万人のが入っているからと,そういうことを言えば,何もかも基準財政需要額で入っているものの7掛けで京都市は仕事したらいいわけで,議会で議論も要らないんです。こういうことではないと思うんです。何が一番大事か。

 それで,中学校給食も侃々諤々の議論がございました。それで,小学校は学校で作る手作りの日本で最高水準の小学校給食,それも政令指定都市では10日以上回数が多い,そういう小学校給食,中学校は家庭からの手作り弁当か,そして,選択制の給食,こういうことがいいだろうということで,今それで多くの現場で理解されていると,このように考えております。

 そして,新たな統合校については,そうした一つの将来に向けての選択肢の一つとして全員給食もいいだろうと。しかし,今これをやろうと思ったら200億円の予算が要る。これ,どこを削るんですか。これを子供や孫の借金に付け回しもできない。借金はできませんから,そういうことがありますからね。基準財政需要額という制度そのものについてもう少し概括的な御理解を賜った議論をお願いしたいと思っています。

○委員長(小林正明)

 藤田副市長。

◎副市長(藤田裕之)

 先ほどの調査の件について,私から御説明させていただきます。

 試食会等の取組を昨年度におきましても37校でやっておりますし,また,それぞれの学校で日々担任が子供の状況あるいは懇談等の場でそういう保護者との直接のやり取りをしている。その様子を見て,逆に中学生の食生活あるいはその家庭の状況等を把握できるというメリットを私も感じております。

 この間の取組でも,昨年も市内の何校かの学校を対象にしまして食育に関する意識調査を実施しまして,12月に発表したところでございますし,日頃の日常の教育活動の中で,まず子供たちにどういう食生活が望ましいのか学校が教育上しっかりと把握して,そしてまた親御さんとも相談していく,そういうことが大事であると考えております。

○委員長(小林正明)

 宇佐美委員。

◆委員(宇佐美けんいち)

 是非,保護者の意見も聴いてください。

 次に行きます。

 予防法務について,問題が起きる前にチェックする体制が本当に京都市はできているのかということを聞きます。

 昨日,市長の御答弁で,弁護士から訴訟の厳しい状況が入ってこなかった,第三者を入れて弁護士の選び方をしっかりと見直すといった訴訟に向かう体制のお話があったと思いますが,そもそも訴訟にならないことが市民の負担をもたらさない最良であると考えます。

 京都市では昭和61年以降,顧問弁護士を置いておりません。京都府では顧問弁護士がおり,月に1回弁護士が来庁する体制だそうです。全国の政令指定都市を見ても,20都市の中で,名古屋市,大阪市など8都市が顧問弁護士を置いており,また,7都市では,非常勤職員として弁護士を任用しています。非常にネーミングライツや広告のバス停など今までなかった契約もあり,いわゆる企業法務の分野,いかに契約上のリスクを提言するか,また,契約履行の際のトラブルを防止するかという,そういった予防法務の重要性が高まってきているのではないでしょうか。

 では,市長,一つ例を示してお伺いしますが,焼却灰溶融施設の契約解除の意思決定について,弁護士に事前に御相談はされていましたでしょうか。

○委員長(小林正明)

 岡田副市長。

◎副市長(岡田憲和)

 予防法務の重要性ということについては,我々も同様の認識をしておりますし,今後もまずそういった訴訟にならない仕事の仕方を進めるということ,もちろんそれでも防げないものもあろうかと思いますけども,最大限日頃から適法,適正な職務を遂行するというのは当然であります。

 ただ今の焼却灰溶融施設に関するものでございますけれども,これは法的問題に関しては,その都度環境政策局と本市の法制部門である法制課との間で連絡を取りながら弁護士とも協議を行い,契約解除に至るまでは弁護士とも相談を行ってまいりました。

 ただ,昨日市長が御答弁申し上げましたように,それが逐一細かく私どもに入ってきっちりとした組織的な対応ができていたかということにつきましては,反省すべきところは多々あったという風に考えております。

○委員長(小林正明)

 宇佐美委員。

◆委員(宇佐美けんいち)

 いつ弁護士と相談されましたか。

○委員長(小林正明)

 岡田副市長。

◎副市長(岡田憲和)

 少し手元に今,何月何日にどうという資料もございませんけれども,契約解除に至るまでに相談を行い,そうした際に弁護士からも今後の手続,そういった詳細についての相談等もさせていただいております。

 ただ,今後につきましては,昨日の答弁どおり,弁護士の選び方,それから訴訟の進捗管理については,これは徹底した改善を図る必要があるというように考えております。

○委員長(小林正明)

 宇佐美委員。

◆委員(宇佐美けんいち)

 いつ弁護士に相談したかが資料がないと,覚えていないということなんでしょうか。しっかり出していただきたいなと思いますが,いずれにしましても,やっぱり今後予防法務の観点,これは体制,急務,必要やと思います。だからこそ顧問弁護士の採用又はそういった弁護士を一部非常勤で入っていただくとか,また,重要な契約については,重要な契約ですよ,これについては一定その法制部門を通すとか,そういったルートの改善とか,こういったことをやる必要があるかと思いますので,要望しておきます。

 以上です。